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国内外の複数メディアによると、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から宇宙飛行士2名を乗せて打ち上げられたソユーズロケットが打ち上げに失敗し宇宙船の緊急脱出が実施されたと報じられています。

NASA及びロシアの宇宙機関にあたるロスコスモスが発表した内容として、アメリカ東部時間2018年10月11日午前4時47分頃、ロシアとアメリカの宇宙飛行士を乗せたソユーズMS-10宇宙船の打ち上げを実施したものの、打ち上げ後に不具合が生じ宇宙船の緊急脱出が実施されたとしています。

問題が発生したのはソユーズ FGロケットで、原因については発射自体は順調に行われたものの、当時行われた打ち上げの生中継によるとミッションコントロールのナレーションとして補助ロケットの切り離しに失敗したとしており、推測では補助ロケットがついた状態では正しい軌道に宇宙船を投入することができないため緊急脱出が実施されたとしています。


こちらが当時配信されていた打ち上げの生中継映像になるのです。一部報道によると、ブースター分離の失敗の可能性があるとしているものの映像を見る限り4本のブースターは正しく切り離されているように見えます。一方で、他のメディアによると2段目エンジン(中央の長細いロケット)が緊急停止したとも報じられています。
ロシアのソユーズロケットは打ち上げ時に第1段ブースターと第2段エンジンを同時燃焼し、途中で第1段ブースターのみを切り離すという方法がとられています。

国内メディアなどによると宇宙船は発射場から北東に約400km離れた平原に安全に着陸したとしており宇宙飛行士はら無事だとしています。

▼1983年、ソユーズ T-10-1で実施された緊急脱出の様子(映像では37秒付近)


緊急脱出システム(LES)が実際に使用されたのは1983年8月26日に行われたソユーズ T-10-1の打ち上げが最初で最後となっていました。ソユーズ T-10-1の打ち上げについてはロケットが炎上したことで発射前に緊急脱出が行われたもので今回LESが使用されたのかは不明なのですが仮に実施されたとすれば飛行中に緊急脱出が行われた初の事故になったと考えられます。


こちらの映像は以前打ち上げられたソユーズ宇宙船の様子です。途中からCG映像になるのですが、映像を見る限りLESの切り離しは第1段ブースターが切り離される数秒前に行われています。異常をいつの時点で認識していたのかにもよるのですが、LES分離後であればLESを使用しない宇宙船を切り離す緊急の措置がとられたものと考えられます。(LESを使用しない帰還については1975年のソユーズ18aで発生しています)

ロスコスモスとしては原因が解明するまでソユーズ宇宙船の打ち上げはは延期することになりその影響がいつまで続くのかは未定です。最近ではソユーズ宇宙船に何者かによる穴が開けられていたことが明らかになっており、事故が相次いでいました。