image_138

ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は2018年10月17日、アメリカ東海岸に面するフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から米軍の通信衛星を打ち上げ、静止軌道への投入に成功したと発表しました。

ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(以下、ULA)により先日打ち上げられたのはAEHF-4という通信衛星です。『4』となっているようにの開発されたAdvanced High Frequency(AEHF)の4機目に該当する機種です。この通信衛星は米国の国家指導者と各地域の軍隊との間で滞りのない安定した通信を提供するというものになっています。


今回打ち上げに使用したのはアトラスV 551型です。世界で運用されているロケットはメインエンジンの数や補助ロケットの本数で数種運用されているのですが、アトラスVについては実に20もの形式が存在しています。これは補助ロケットの数、第2段エンジンの数、フェアリングの直径で細かく分けられており、打ち上げる人工衛星のサイズや質量などに応じたロケットの打ち上げを実施しています。

▼打ち上げ前のアトラスⅤ551(AEHF-4)
image_139

アトラスVロケットは大きく『400シリーズ』と『500シリーズ』があります。400シリーズは衛星を包む先端のフェアリングが4mサイズのもので、500シリーズでは5.4mの大きさがあります。続く2桁目の数字は補助ロケットの本数、続く3桁目は第2段エンジンの数で、『2』であれば2基『1』であれば1基搭載しています。

つまり今回打ち上げられたロケットはアトラスⅤ551はフェアリングの直径が5.4mで補助ロケットの数は5本、第2段エンジンは1基という構成になっていることを示しています。

▼打ち上げれたAEHF-4
image_140

アトラスVロケットは2002年8月以降、今回のロケットを含め79回の打ち上げ実績があるものの1回のみ到達高度より低い軌道に送られた部分的失敗が1回だけという信頼性の高さを誇っています。ちなみに第1段エンジンにはロシア製のRD-180エンジンが搭載されており、アメリカ軍の衛星の打ち上げに使用されている信頼性の高さは折り紙付となっています。