フォーラーネグレリア

脳を食うアメーバとしてテレビ番組でも度々登場するのは『フォーラーネグレリア』という種です。コノ手に関してアメリカで行われた調査によると、温暖化の影響で生息域が広まっていると報告されています。

脳に侵入して組織を溶かすアメーバ「フォーラーネグレリア」。感染したらほぼ全員が死亡するこのアメーバは、温暖化によって生息範囲が拡大していくと見られている。その米国における最新症例が9月に判明した。

WIRED.jp
アメリカでの死亡例は年間数例と極めて少ないものの感染した場合ほぼ助かる見込みはないという殺人アメーバ『フォーラーネグレリア』という種がいるのはご存知でしょうか。

今回紹介した記事では最近この微生物に感染し死亡した29歳の男性の例として、彼は耐えられない頭痛で病院に運ばれたものの4日後に死亡しました。これは原因が分かった翌日に死亡するという早さだったとのことです。この男性はこれまで感染報告がなかった北東部のニュージャージー州に住んでいました。

フォーラーネグレリアは水温が非常に温かい、例えば池や湖、または入浴施設など淡水にのみ生息しています。一般的に汚染された水が鼻に入るなどして結果的に脳に達し『原発性アメーバ性髄膜脳炎』を発症し死に至ります。症状が現れてから死亡までに要する日数は5日前後とされています。

このような記事を紹介すると原発性アメーバ性髄膜脳炎で死亡する人が多発していると勘違いしてしまいそうなのですが、実際はそうではありません。フォーラーネグレリアなどに感染し髄膜脳炎を起こし死亡するのは極めて稀で米疾病管理予防センター(CDC)によるとアメリカ国内で1962年以降、感染が確認された例はわずか143件しかありません。(140人が死亡しています)

今後、殺人アメーバに接することはあったとしても死亡する例は稀であることは間違いなくもちろんフォーラーネグレリアが含まれる水道水や池の水に入ったり誤って飲んでしまったとしても感染することはありません。また感染後に増殖を抑える薬も開発されつつあり近い将来死亡率は大きく下がることも予想されています。