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北朝鮮を挟み中国やロシアなどアジアと陸続きになっている韓国。一方で多数の戦車を配備しているのですが、その戦車の中に1970年代に導入されたM48パットンという旧式の戦車が多く含まれていることについて費用対効果悪いという記事を掲載しています。

韓国メディアKBSは今月18日、「坂道すらまともに登れない戦車」として韓国陸軍が配備しているM48パットンを出し「残存価値だ」という内容を報じました。いったいどういうことなのでしょうか。

“잔존가치 0원”…비탈길 못 오르는 ‘깡통 전차’ > 뉴스 9 > 정치 > 뉴스 | KBSNEWS

KBSによると韓国軍全体における国防予算は40兆ウォン、日本円で約4兆円規模に達するものの前線部隊には1977年から導入が始まり40年以上も運用しているM48パットンが約600両も配備されているといいます。
具体的なスペックは最高速度は時速50kmに達するものの不整地では20kmほどしか出すことができず、坂道についても20度を超えるとバックで登る必要があるなど問題があると主張。砲塔の回転速度も遅く夜間照準器が搭載されているものの500mを超えると敵味方の識別が不可能なほどの性能だと指摘しています。


▼M48A5K(M48の発展型M48A5を韓国が改修したもの)
M48A5K_1

極めつけなのがこの戦車を運用する上での価値です。記事では韓国陸軍がM48戦車の経済性を分析したところ2011年時点で戦車1両あたりの年間平均整備費用が戦車を維持することで得られる利益『残存価値』を超えていたとし、2018年時点では残存価値が0ウォンになったとしています。

記事によると仮にM48を使い続けた場合の損害費用は2020年には1600億ウォン(約160億円)に達するとしており、国境線沿い配備しなければならない戦車をどのように置き換えていくのかなど難しい判断に迫られていると考えらます。


韓国軍が運用している戦車数は資料によっても異なるものの2016年時点で2,400両あまりとされています。構成としては今回問題が指摘されたM48パットン、K1(88戦車)、そしてK-2です。なぜ戦車の更新が遅れているのかについてはいくつか理由があるらしく、K1戦車やK-2戦車でトラブルが発生していることが指摘されています。
最新のK-2戦車に関しても当初600両量産するとしていたものの現時点で100両が実戦配備されている程度で最終的に最大でも300両程度に留まるとしています。K-2戦車は国産のパワーパックに不具合が未だに解決していない状態が続いているといいます。

韓国に求められている戦車とは少なくとも北朝鮮に配備されているようなT-72やT-54/55という旧式戦車に対抗できる性能であり、それに対抗するため高価な最新の戦車を数百両も配備する必要があるのかというと疑問があります。そのため例え残存価値がゼロであったとしても退役させ数を減らすよりかは配備し続けたほうが国防の点でも有利になると考えられます。