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アメリカ航空宇宙局 (NASA)は2015年3月に準惑星ケレスに到着した探査機ドーンについて、先日搭載されている燃料を使い果たし探査活動を終了すると発表しました。

Space.comによると、NASAの科学ミッション・ディレクターであるトーマス・ツルーチェン氏の声明として、「本日、ドーンミッションは終わりを迎えました」と話し、重要な発見を次々を見つけたチームに対して感謝の言葉を述べました。

Dawn Is Dead: NASA's Pioneering Asteroid-Belt Mission Runs Out of Fuel

小惑星探査機ドーンは2007年にNASAが打ち上げ円を描くように太陽系を周回し徐々に距離をとっていくという方法がとられました。その間に2011年7月に小惑星ベスタの周回軌道に投入に成功、そして2012年9月にベスタを離れ2015年3月に準惑星ケレスに到着しました。

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ツルーチェン氏によると「ドーンがベスタとセレスから収集した驚くべきデータと画像は太陽系の歴史と進化を理解するうえで重要です」と話し、私達太陽系の地球など他の惑星がどのように形成されたのかそのヒントとなる発見をしました。
2つの天体は太陽系の惑星形成期に後に火星や地球になる大きな天体に合体することなくそのまま太陽系に残された天体であることがわかり、太陽系が形成された初期の様子をそのままの形で残し続けていることがわかったそうです。

▼肉眼で見た場合の色合いを再現した準惑星ケレス
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ベスタからはガンマ線・中性子検出器を用いた観測で水らしき揮発物の存在が明らかになっていた他、セレスからはアフナ山と名付けられた氷の火山が存在するなど、天文学者からすると興味深い数々の新発見をしていました。

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今回ドーンは燃料切れで終了となってしまったのですが、なぜ『燃料切れ=探査終了』となるのでしょうか。
ドーンには姿勢を制御するためヒドラジンを燃焼させているためです。これにより例えば太陽に正しくソーラーパネルを向け発電する以外も、地球にデータを送信できるよう探索機の姿勢を変えるということも多なっています。つまり、燃料が無くなってしまってはそもそも探査に必要な電力も作り出すことが難しく、地球にデータを送信できないということになります。NASAとしては数ヶ月前の時点で燃料が無くなっていたことはわかっており、先月31日の時点で探査機からデータが送信されてこないことを最後に確認し探査終了を宣言したとのことです。

小惑星探査機ドーンは今後ケレスに衝突することはなく徐々に軌道を離れ半永久的に宇宙空間に存在し続ける探査機になるとことです。