
国内外の複数メディアによると、地球から6光年先にある恒星バーナード星に地球サイズの惑星が公転していることがわかったとして科学誌に論文が掲載されたと報じられています。
バーナード星の周りを氷の惑星が公転している、という論文が科学誌『ネイチャー』に発表された(2018年11月14日付)。バーナード星は1916年に発見された恒星で、大きさは太陽の6分の1ほど、太陽より高齢な小さな赤い矮星だ。これはスペインおよびイギリスの研究機関が共同で行った系外惑星を探す「カルメネス」プロジェクトでスペインのカラル・アルト天文台を中心に恒星であるバーナード星を観測した結果、バーナード星bという岩石惑星と考えられる天体が公転していることがわかったとのことです。
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▼太陽から近い恒星の一覧、バーナード星は2番目に近いことがわかります。

記事によると系外惑星『バーナード星b』は地球質量の3.2倍以上あると『スーパーアース』と呼ばれる天体で公転周期は233日です。何か地球に近いようなイメージがあるのですが、主星で恒星のバーナード星は太陽の1/5しか質量がなく褐色惑星で表面温度も低温です。そのためバーナード星bに届く熱エネルギーも少なく表面温度は105ケルビン(約-168度)と考えられています。
▼バーナード星bの想像図。褐色惑星のため色温度の低い光が届く

研究者によるとバーナード星bの発見は『ドップラー法』による成果でした。ドップラー法とは恒星の周りを公転する惑星の重力で恒星がわずかに揺れることを観測するという方法で、今回の研究ではバーナード星が233日周期で揺れていたことを発見しました。そのため実際にはスーパーアースであるバーナード星bは直接観測できていないものの研究者によると恒星の揺れは「99%間違いなく惑星が影響している」と話しており、今後も研究を続けると発表しています。
ちなみに太陽も周囲の惑星が影響し同様の揺れが発生しています。観測によると巨大な太陽が毎秒13mずつ揺れ動いていることが確認されており、揺れを発生させているのは主に太陽系最大の惑星木星の重力によるものです。現在の観測技術では恒星の揺れは毎秒1mの精度で観測することができるとのことです。