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先日中国で行われたマラソンで運営スタッフらがコース上に入り込んで中国の選手に巨大な国旗を手渡した出来事が発生しました。ネット上の愛国主義者から国旗を投げ捨たことについて選手に批判する声が上がったものの、中国国営メディアなどは一斉に彼らを批判する内容を掲載しています。

今月18日、中国江蘇省蘇州市で開催された女子マラソンでゴールまで残り500mのところでトップ争いをしていたアフリカ選手と中国人選手に対して、大会の運営スタッフやボランティが巨大な中国国旗を中国人選手に手渡したことで失速し優勝を逃したという行為について、中国で波紋を広げていました。


中国人選手は手渡された国旗を数秒後に捨てたもののペースを崩し2位でゴール。試合後ネットユーザーや地方の小さいメディアが「祖国の国旗を投げ捨てるとは何事か!」などと批判する声があがっていました。

マラソン選手の国旗騒動、「ルール破壊は害国」と中国紙、国...|レコードチャイナ

しかし、そんな彼らを逆に批判したのは中国国営メディアや大手新聞です。Record ChinaによるとCCTVは翌日の19日には『国旗を利用して過度な道徳を押し付ける人は愛国とは言えない』という論評を掲載し「スポーツ選手は良い成績を収めることこそが愛国である」とし「国旗を利用し他人を攻撃するための道具として利用してはならない。パソコンの前でキーボードをたたいているだけの人間は、たとえ国旗にくるまっていたとしても、国のためには少しも貢献していない」と愛国を掲げるネットユーザーら痛烈に批判しました。

また中国のタブロイド紙『新京報』ではスポーツコンサルタント会社総裁の論評を掲載し「ルールを破壊する行為を容認する個人や機関については、『愛国』の2文字はふさわしくないと言うしかない。それは『愛国』ではなく『害国』と言っても過言ではない」と批判する内容を掲載しました。


今回何故ルールを無視するような形で国旗が手渡されたのかに関しては、このマラソン大会を運営していた智美体育集団が「(選手が)国旗をまとってゴールするのは慣例で、選手へのおもてなし」「国旗をまとってゴールするシーンは非常に心を揺さぶる。スポーツ選手の国家への感謝を表している」などとし主催者側が独自に判断し選手に国旗を手渡す規則を設けていたことが明らかになっています。

またこの騒動に便乗しようとしていたのか、国旗を投げ捨てた選手に対して他の選手が「私ならお金よりも国旗を選ぶわ」などと愛国を強調したところ逆に炎上するという出来事も発生しちえます。