
敵国の艦船を攻撃する目的で水中に設置されるのは機雷という兵器です。ベトナム戦争中にアメリカ軍が敷設した機雷で一時期爆発が相次いだことに関して、原因は太陽にあったと報じられています。(画像は参考資料)
太陽の表面で大きな爆発が起きて大量のエネルギーが宇宙空間に放出される現象「太陽フレア」は、地球上の送電網を破壊したり、コンピューターなどの電子機器に多大なる影響を与えることが知られています。1972年に起こった太陽フレアは、当時のベトナム戦争の際にアメリカ軍が海中に設置した爆弾「機雷」に影響を与え、起爆していたことが機密解除された記録から明らかになっています。太陽フレアとは体表表面で確認できる黒点同士が衝突し、磁力線が捻じ曲げられ際に放出される電磁波や高エネルギー粒子およびプラズマで、例えば宇宙に滞在する宇宙飛行士であれば放射線被曝したり、地上では電磁波による通信障害や停電が発生する可能性があります。
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今回報じられたのはその太陽フレアが発生した1972年に関して、研究論文によるとこの太陽フレアによる影響は地球到達から地球上ではX線の数値が16時間以上も高いままで、宇宙に打ち上げられていた人工衛星のソーラーパネルが損傷するほどのエネルギーだったとしています。具体的な数値としては総フレア指数でレベル17という規模としており、イギリス南部の海岸やスペイン南部のビルボアの南の空でオーロラが確認されたという報告もあるそうです。
また地球上ではアメリカ軍が敷設していた機雷が次々と爆発するという事故が発生していたとしており、記事によると数カ月前に機雷が敷設された海域上空を飛行していたパイロットが20個の機雷が次々と爆発する様子を確認していたといいます。
機雷は一般的に艦艇が接触し爆発する触発機雷以外にも、艦艇が生じる磁気、音、水圧などを感知し爆発する感応機雷、また遠隔操作する形で爆発させる管制機雷などいくつかタイプが存在します。機雷は1970年代に敷設された機雷がどのようなタイプでどのような性能があったのかは不明です。
太陽フレアによる影響については、最近あれば2011年8月に強い太陽フレアが観測されたもののそれ以降は特に観測はされていません。もちろん将来的に記録的な太陽フレアが発生した場合、送電網を中心に破壊される懸念もあり、送電網だけの復旧でもアメリカ全体で完全復旧までに最低でも4年はかかるという予想もあるとのことです。