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アメリカ航空宇宙局によると東部時間11月26日午後3時、半年前に打ち上げられた火星探査機インサイトに関して火星地表への着陸に成功したと発表しました。現在火星地表で活動している探査機はオポチュニティ、キュリオシティ、インサイトの3機となりいずれもアメリカ製となっています。

今年5月5日、アトラスVロケットを使用し打ち上げたのは無事に着陸を果たした火星探査機インサイトです。インサイトは今後火星年で2年間の探査計画が組まれており、はっきりしていなかった火星内部の詳細な探査を実施します。



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こちらがインサイトに搭載されたカメラにより撮影された最初の1枚です。着陸の際に逆噴射をかけつつ減速するため舞い上がった火星の土が付いてしまっています。

▼新しく公開されたインサイトからの写真
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火星探査機インサイトは打ち上げから探査終了までの予算は9億9300万ドル(約1,130億円)が当てられているもので、未知だった火星内部の詳細な調査を行ないます。
代表的な観測装置として『熱探査針』が搭載されており、これを火星地下3~5mまで潜り込ませ内部の熱を調べます。そしてもう一つ、フランスが開発した高精度の『地震計』で、火星でも発生していると考えられる地震から火星中心の核の大きさや、その形状が液体なのかそれとも固体なのかなど火星がどのように形成されたのか詳細な観測が実施される計画となっています。

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火星の探査計画については軌道上また地表を含め1960年代からロシアやアメリカ、欧州、日本、中国、インドが実施しています。しかし非常に困難なものとなっておりロケットの打ち上げそのものが失敗した例をはじめ火星軌道に投入ができなかった例や、火星に向かう途中で通信が途絶、着陸の失敗など打ち上げられた半数以上が失敗しているといわれています。
特に旧ソ連時代からロシアが打ち上げた火星探査機については、火星に着陸したものがいくつかあるのですが、着陸後1秒後に壊れた例や20秒後に壊れた例があるなど、軌道上に到達したものを含めその大半が失敗に終わっています。