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将来の人類が太陽系以外に進出した場合、どの惑星が候補となるのか。現在複数の系外惑星が発見されていますが、太陽系から最も近いプロキシマ・ケンタウリを公転する惑星bも人類の移住に適している可能性が指摘されています。

太陽系から最も近い惑星系として知られているのはプロキシマ・ケンタウリです。プロキシマ・ケンタウリはケンタウルス座A星、B星の2つの恒星の周囲を100万年あまりで公転しています。つまり3重連星となるのですが、プロキシマ・ケンタウリは直径が太陽の1/7しかない小さな赤色惑星です。最近、ここに1つの惑星が公転していることが明らかになっています。これがプロキシマ・ケンタウリbという地球型惑星です。

The Closest Exoplanet to Earth Could Be 'Highly Habitable'

▼プロキシマ・ケンタウリbから見上げた空の想像図。太陽のように見えるのが恒星プロキシマ・ケンタウリ。右上の2つの点がケンタウルス座A星、B星
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プロキシマ・ケンタウリbは地球から4.2光年先を公転する地球から最も近い系外惑星です。現在の観測によると、質量は少なくとも地球の1.3倍ほどあり恒星つまりプロキシマ・ケンタウリを11日周期で公転しています。恒星と惑星の距離が近いこともありプロキシマ・ケンタウリbは地球の月のように常に同じ面を恒星側に向けていると考えられています。

問題はこの惑星に液体の水が存在しているのかです。これに関してNASAの惑星科学者アンソニー・デル・ジェニオ氏らがシミュレーションを行った結果、あくまで地球上の気候変動に似たコンピュータモデルを使用した結果として、惑星の表面には膨大な量の液体が存在できるエリアがあり潜在的に生命が生きていける環境があるという結果が示されたそうです。

液体の水は恒星に向けた側から惑星の反対側に循環するような流れが発生しているらしいという内容になったといいます。この研究では大陸のサイズ、大気密度、大気組成などパターンが異なる18のシミュレーションを行ない、ほぼ全てのモデルで少なくとも惑星の表面の一部に地球のように液体の海が残るという結果が示されたとのこと。

現時点で直接惑星を観測し液体の水があるという証拠は掴めておらずあくまでシミュレーション結果として根拠を示しているに過ぎません。地球から4.2光年という距離は現代の技術力では探査機を飛ばし地表を直接観測するということは不可能ですが、いずれにしても遠い将来、たとえ液体の水があろうが無かろうが人類初の系外惑星探査として何らかの探査機を送り込むことはほぼ確実と考えられます。