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先日、国際宇宙ステーションに物資を送り込む補給船を打ち上げたファルコン9ロケットに関して、打ち上げには成功したものの第一段ロケットの回収が失敗するというトラブルが発生したと報じられています。

スペースXのCEOイーロン・マスク氏によると日本時間6日、ドラゴン補給船の打ち上げに使用した打ち上げたファルコン9に関して第一段ロケットを地上に返す段階でロケットに搭載された姿勢制御用のグリッドフィンの一部が故障し海上に落下させる事故があったと発表しています。

SpaceX landing mishap won’t affect upcoming launches - SpaceNews.com

スペースXは世界に先駆けて打ち上げたロケットを地上、もしくは船の上に着陸させるという回収を行っており、極めて安価なロケットの打ち上げを実施しています。そのうえで、宇宙から着陸するまで難しいコントロールが求められるのですが、その際に使用する4本のグリッドフィンのうち1本が油圧系のトラブルで動かなくなってしまい誘導に失敗したとしています。


今回の打ち上げでは発射場から離れた大西洋に面するケープ・カナベラルのランディング・ゾーン1への着陸を行おうとしていました。しかし、展開したグリッドフィンの1つが斜めに傾いた状態で固定されてしまったことでロケット本体の回転が始まりました。
海外メディアによるとロケットに搭載されている自律型飛行安全システムは油圧のトラブルを認識したため回転を始める前にこれが停止し陸上への着陸を中止する動作に入ったとしています。

結果的にロケットはランディング・ゾーン1よりも数キロ離れたところに誘導されゆっくりと墜落しました。

ファルコン9地上帰還軌道
こちらがロケットの打ち上げから地上への着陸表した図になるのですが、トラブルが発生した場合は陸上ではなく海に落とすようにプログラムされていることがわかります。


こちらは陸上への着陸に成功した例の映像です。

スペースXは不可能とされていた第1段ロケットの回収を2015年12月22日に世界で初めて成功させており、以降ほとんど失敗することなく成功させ続けています。最近失敗した例についてはファルコンヘビーロケットのコアロケットの洋上回収に失敗した例があった程度になっていました。(参考)