嫦娥4号_3

国内外の複数メディアによると中国国家航天局『CNSA』は今月3日、地球から見て月の裏側に世界出始めて無人探査機を着陸させることに成功したと発表しました。今回は公開された資料や今後の探査計画について紹介していきます。

今回、月の裏側への軟着陸に成功したのは嫦娥(じょうが)4号という無人探査機です。この探査機はJAXAやNASAのような国の宇宙機関にあたる中国の中国国家航天局『CNSA』が成功させたものです。

この探査機は昨年2018年12月8日に打ち上げられ、月軌道に移動し着陸することに成功しました。月への着陸自体は火星といった他の天体よりも多いのですが、今回注目されているのは「地球から直接電波が届かない月の裏側に着陸させた」ということに理由があります。

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Photo:The Gundam Wiki
どのようにして月の裏画に着陸させたのか。それは地球と月の重力が釣り合うラグランジュ点『L2』に予め地球との通信を中継する人工衛星『鵲橋』を設置し着陸を実施させたということになります。こちらが略式図になるのですが、L2と書かれた距離としては月の地表から65,000kmほど遠い地球と月の直線状にある宇宙空間に中継衛星を展開させました。

▼着陸前の様子
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▼着陸後撮影した月面写真
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着陸にあたっては北京航空宇宙飛行管理センターからの指示が出て月から15kmの距離で7500ニュートンの推力のあるエンジンを始動。徐々に高度を下げ高度6~8kmの地点で姿勢を変更。月面から100mの位置でホバリングを行ない着陸地点を選択。その後、ゆっくりと降下していったといます。この間、指示を出してから着陸までは約690秒間の出来事だったとしています。

嫦娥4号には着陸機とローバー『玉兔2号』で構成されている探査機で、地形カメラや着陸カメラの他にもドイツとスウェーデンと協力しており中性子線測定器、放射線検査など複数の観測装置を搭載しています。

▼ローバーの車輪
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▼展開された『玉兔2号』
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そして注目なのは嫦娥4号には生き物が載っていることです。具体的にはジャガイモの種とソロイヌナズナという植物の種、そしてカイコの卵が載っており、これらが3kgの容器の中に一緒に入っています。これによりカイコは成長した植物を食べ、光合成によりカイコは呼吸し…という単純な生態系を作り出します。
今後、この食物や動物がどのように成長していくのか注目されていくものと考えられます。