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韓国国防部は日本の防衛省が公開したレーダー照射事案の映像に対し本日、反論したという動画を公開しました。映像には海洋警察庁の隊員が付けていたと考えられるカメラ映像も含まれています。

韓国国防部は今月4日午後、「日本は人道的救助作戦の妨害を謝罪し…」などというタイトルで、先日日本側が火器管制レーダーを照射された事案に対して反論する動画を公開しました。この動画は火器管制レーダーの照射の事実の有無ではなく、主な内容は「自衛隊機が低空飛行し威嚇、妨害した」などと論点が異なる動画に仕上がっています。


まず動画のサムネイル画像の時点でツッコミどころ満載なのですが、何故このような構図の合成写真をわざわざ作ってしまったのか。個人的には韓国の野党国会議員が「対艦ミサイルを搭載していた!」などと主張していたことにも合わせて、対艦ミサイル積んだものを合成写真として載せればよかったと思うのですが、残念ながらそのようなものにはなっていませんでした。ちなみにネット上の主張によると哨戒機の機体番号などは意図的に消した画像を使用しています。

韓国国防部がアップロードした今回の動画に関しては韓国語なのでどのような主張をしているのかは動画の説明文に概要となるものが掲載されています。
要約すると、レーダー照射事案から自衛隊機の低空威嚇飛行事件などと論点をすり替えた上
  • 韓国国防部は日本側の謝罪と問題解決に努力を促している
  • 日本は人道的救助作戦を実行していた駆逐艦を低空で威嚇し危険をもたらした
  • 民間機に適用される国際法を持ち出し恣意的に歪曲・解釈し事実をごまかした
  • レーダー波を受けた哨戒機は回避するどころか周囲を飛び続けた
  • 上空から離脱した後呼びかけたが、私達が意図的に返答しなかったと映像で表現している
  • 韓国海軍はいかなる威嚇行為もしていない
  • 日本が火器管制レーダーを使用したというのであれば実務協議を通じて収集したデータを確認する手段をとればいい
  • 日本は今回の事件を政治的利用するな
  • 日本は人道的救助作戦を妨害したことを謝罪する必要がある
というものです。内容は正確な日本語訳ではありません。

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こちら海洋警察庁の隊員が撮影したと考えられるシーンです。この映像だけでは解像度が低すぎるため写っている航空機がP-1であると判断することはできません。韓国側の言葉を使うと客観的証拠に欠けた映像です。

▼飛行高度の目安
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もちろん、映像に写っているのは間違いなくP-1であろうと判断できるのですが、問題は友好的関係にあったという韓国海軍がなぜこの映像をもって救助活動を行っていたという人たちと現場海域にいた駆逐艦が「威嚇された」「脅威を与えた」「妨害された」という証拠としているのかです。

理解に苦しむところですが、彼らからすると自衛隊機が上空を旋回飛行しているというのは精神的に脅威に感じるということになるようです。ちなみに国際法と照らし合わせ軍用機だっため問題が生じたとしており、韓国側の主張であれば民間機であればこの高度、距離で飛行していれば何の問題もありません。

映像では日本のP-1哨戒機から入った駆逐艦側の無線音声も含まれています。これが加工されたものなのか未編集のものなのかは定かではないのですが、当然何を言っているのかわからないのであれば聞き直すのはそこらの電話でも日常会話でも当たり前のことです。しかし、韓国側は無視しつづけ然るべき対応を取っていませんでした。その上で、当時自衛隊の飛行に対し脅威に感じていたならばむしろ駆逐艦側が発生当時に無線を通じて哨戒機に直接抗議すればよかったものの、これも一切行われていませんでした。

今回の映像からは「駆逐艦の真上を低空飛行した」「哨戒機は対艦ミサイルで武装していた」「当時天候が悪かった」と韓国側から発せられていた内容は何れも確認できず、韓国の軍関係者や国会議員らからもたらされたこの手の内容は全て嘘の可能性があります。