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有人月面着陸から50周年を迎えた今年、その計画で持ち帰った月の岩石に関して、今から41億年前ほどの貴重な地球の石が含まれていた可能性があると報じられています。

Space.comによるとスウェーデン国立自然史博物館及びオーストラリアの大学が行った共同研究として1971年に実施されたアポロ14号の飛行で月から地球に持ち帰った岩石の一部から『石英』『長石』『ジルコン』といった月の石にはあまり含まれていない鉱物が含まれており、地球由来の石が混じっている可能性があることが分かりました。

Apollo Astronauts May Have Found the Oldest Earth Rock We Know On the Moon in 1971

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この月の岩石には石英、長石、ジルコンが0.08オンス(約2グラム)含まれている事がわかり、化学分析によると、この破片は初期の地球の地下の温度で結晶化されたものと似た結果が得られたとしています。結晶化した年代は今から40~41億年(太陽系の誕生は46億年前)で、結晶化した後比較的短時間に巨大な衝撃(主に隕石)により宇宙に飛び散ったとし、今から1/3ほどの距離にあった当時の月に降り注いだと考えられています。
その後、2600万年前に月では直径340mのクレーター『ConeCrater』が形成した隕石衝突があり、この衝突によりアポロの宇宙飛行士が手に取れるような地表まで盛り上がったのではないかと研究者は述べています。

▼アポロ14号による宇宙飛行士の探査、右側のConeCrater付近で採取された
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ちなみに、地球上で発見された最も古い鉱物というものがあり44億年400万年前±800万年前のものがオーストラリア西部で発見されています。日本で発見されたものとしては岐阜県から20.5億年の岩石が見つかっています。(参考)
このような古い岩石や鉱物は地球が生命が誕生したころの原始の環境を解明する重要な手掛かりが得られる貴重なサンプルとなっています。