image_67

宇宙飛行士の多くは男性が選ばれる傾向があり、宇宙船に乗り込む宇宙飛行士も全員が男性になることはよくあることです。一方ロシアでは女性のみの宇宙飛行士で編成されたチームを将来打ち上げる計画を発表しています。

女性初の宇宙飛行士といえば「わたしはカモメ」(正しくは「こちらはテレシコワ」)で有名な旧ソ連の英雄ワレンチナ・テレシコワさんがいます。既に81歳という年齢になっているのですが、過去複数の宇宙飛行士が乗り込む宇宙船の打ち上げで、女性のみで編成された打ち上げというのは記憶してる範囲では無いのですが、その実績を将来ロシアが達成する予定があると報じられています。

ロシアで、女性だけの特別宇宙飛行士チームを編成する計画-ロスコスモス情報 - ロシア・ビヨンド

ロシア政府機関が運用するビヨンドによると、ロシア宇宙局ロスコスモスの情報として女性のみの打ち上げという編成は2018年にプロジェクトがスタートしたとしており、当時の募集では女性からの志願者はほとんどいなかったといいます。しかし、最近女性が注目されたこともあるのか最近の募集では候補者が集まってきていると言います。

記事によると今後の女性打ち上げを多く採用する理由なのかロシアの船外活動用の宇宙服であるオーラン宇宙服についてロスコスモスとしては女性の体型に合うようなものを開発するとしています。また力仕事をサポートできるようにパワードスーツ機能も盛り込まれるとしており、最新の宇宙服として仕上げられる予定とのこと。

ロシアと女性宇宙飛行士

記事にも掲載されているように旧ソ連時代からロシアでは既に100人以上の宇宙飛行士が誕生しているものの女性宇宙飛行士は非常に少なく、テレシコワさんを含めスヴェトラーナ・サヴィツカヤさん、エレーナ・コンダコワさん、エレナ・セローワさんのたった4人しかいません。
国際宇宙ステーションに初めてロシア人女性の宇宙飛行士が入ったのは2014年9月に打ち上げられたエレーナ・セロワ宇宙飛行士です。実はこのロシア人女性打ち上げについても実に17年ぶりの出来事で、この飛行ではソユーズ宇宙船のソーラーパネルが開かないというトラブルも発生しています。

▼エレーナ・セロワ宇宙飛行士
c91ed277-s
17年ぶりのロシア女性宇宙飛行士、ISSに到着 : ZAPZAP!


なぜ女性が少ないのかについてはいくつか理由があるとされ、記事では『特定の職業に対するロシア独特の偏見がその理由であろうと思われる』と紹介されています。またもう一つ理由があるとされ、世界初の女性宇宙飛行士となったテレシコワさんは70時間あまりの宇宙飛行中にパニックを起こしたとされ、ロシアでは女性宇宙飛行士は宇宙には向いていないと判断され現在もそれが受け継がれていると指摘されることがあります。

ロシアでは宇宙船の打ち上げ前にはガガーリンが行ったことを現代の宇宙飛行士もやるというある種の伝統や儀式が引き継がれており、そのような理由からテレシコワさんの苦い経験も採用率の低さに繋がっている可能性もあると言われています

なぜロシアの宇宙飛行士はバイコヌール宇宙基地へ向かう途中でバスに「立ちション」するのか – Discovery Channel Japan | ディスカバリーチャンネル