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最近、民間宇宙旅行が間もなく実施されるなどといくつか報じられていますが、その先にあるのは地球軌道上を周回する宇宙ホテルに滞在するという計画です。非常に壮大な計画なのですが、2022年までに開業すると主張していたオリオン・スパンという企業について資金調達が困難になっておりパートナーを募集していると報じられています。

SpaceNews.comによると、2022年までに『オーロラステーション』という民間宇宙ホテルを建造すると主張していたオリオン・スパンに関して、最近クラウドファンディングで資金調達を図ったものの目標額を大きく下回っていたと報じられています。

Orion Span falls far short of funding goal to support its commercial space station ambitions - SpaceNews.com

記事によると、最大200万ドル(約2億2000万円)の資金調達をクラウドファンディングで目指していたものの、締切の先月1月末の段階では23万ドル程度しか集まっていなかったとのことです。そもそもオリオン・スパンはどのように資金調達をしてオーロラステーションの開発を目指そうとしていたのか。

▼オリオン・スパンが構想するオーロラステーション
オーロラステーション_2

最近のアメリカを中心とした民間宇宙開発は例えばブルー・オリジンであればアマゾンの創業者が、ストラトローンチ・システムズという空中発射ロケットを開発を目指している企業であればマイクロソフト共同創業者の一人で昨年亡くなったポール・アレン氏らなど富豪により行われています。
記事によると、オリオン・スパンは当初からどのようにしてお金を集め開発していくのか、その詳細はほとんど発表されていなかったといいます。ちなみ今回クラウドファンディングで集められた資金については指定された額に達していなかったらしく出資者に全額返金されるとのことです。

また掲載されている内容が正しいのかは不明なのですが、同社は2018年9月現在資金は998ドル、従業員は僅か2人しかおらず2018年4月にオーロラステーションを発表して以降開発に向けた動きなどはほとんど報じられることはなかったとしています。

オーロラステーション_1

オーロラステーションとはこのオリオン・スパンが開発するなどと主張しているは42平方メートルの空間がある宇宙ホテルで高度200マイル(約320km)の地球低軌道に建設されます。旅費については全て込みで1人あたり950万ドル、日本円で約10億円としており一度に6人を約12日間滞在することができるといいます。
そもそも地球低軌道への打ち上げは宇宙船を打ち上げるロケット本体のコストを考えるとスペースXのファルコン9ロケットで再使用しない場合で1回あたり68億円ほどかかっているとされています。そのためそもそも1人あたり10億円というのは現実的におかしい価格設定です。実はこの点についてもいったいどのような理由から950億ドルという数値を導き出したのかが不明であり、同社の最高経営責任者は見積もりの根拠は一切示さなかったとも掲載されています。

今後この宇宙ホテルは開業するのか。開業する前にこの企業が無くなってしまいそうな趣旨の内容が書かれているのですが、次に報じられる内容に期待していこうと思います。