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アメリカの宇宙開発の最前線となった発射台といえばフロリダ州にあるケネディ宇宙センター第39発射施設です。これは宇宙を題材とした映画などでも多く映し出される施設なのですが、最近この発射台に白いアームのようなものが取り付けられました。一体何に使うものなのでしょうか。

人類が始めて地球以外の天体に降り立った歴史を作った発射台として今も利用されているのはケネディ宇宙センター第39発射施設(LA-39)です。これはアメリカの中でも最大級のロケットを打ち上げる施設として今も最前線で運用されており、これまで打ち上げてきた主なロケットはアポロ計画のサターンV、その後運用が始まったスペースシャトルになります。

LA-39はAとB、そしてCの3つの発射台になるのですが、AとBがサターンVやスペースシャトルで運用されてきました。そのLA-39Aに関して最近発射台がアップグレードされこれまで無かったアームのような何か白い物体が取り付けられました。

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実は、LA-39Aは2014年に民間企業スペースXが今後20年にわたりリリースする契約を結んでおり、2017年以降スペースXが運用するファルコン9及びファルコンヘビーロケットの発射台として使用されています。この白い物体もスペースXの計画の元で取り付けらたもので、正体は近い将来実施される有人打ち上げで使用する『クルーアクセスアーム』と呼ばれているものです。
アームの内部は通路になっておりここから宇宙飛行士らが歩いて船内に入り込むということになります。

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こちらがクルーアクセスアーム内部から撮影された動作の様子です。発射台にはスペースXが運用するファルコン9ロケットとドラゴン宇宙船が確認できます。

以下の動画はファルコン9ロケットの燃焼テストの様子で今年2月中にも打ち上げられる宇宙船クルードラゴン(無人)を登載しています。
スペースシャトル引退後、開発の遅れと変更によりアメリカは宇宙飛行士を打ち上げる能力は現在も失われた状態が続いています。そのためケネディ宇宙センター第39発射施設も長らく利用されず静かに佇んでいたのですが、誰も想像もしなかったほどの民間企業の大躍進があり発射台が再び息を吹き返したということになりそうです。