Tu-160 旅客機改装案

ロシアが保有する爆撃機の中で、音速を超える超音速爆撃機として配備されているのはTu-160 ブラックジャックという機体です。この機体に関して超音速旅客機に改装する案が浮上していると報じられています。

中国『环球网』によると、ロシアメディアが報じた内容としてプーチン大統領は今月12日、ロシア西部に位置する都市カザンで、超音速爆撃機Tu-160の改装について超音速旅客機への改装案を支持すると表明したと伝えています。

轰炸机改客机?普京支持将图160改成超音速客机_军事_环球网

この日、カザンではプーチン大統領と各界の代表と面会し話し合う場が設けられ、カザンでは「戦略爆撃機を製造しただけではなく登載する兵器も製造した。これらは時計と同じくらい美しく素晴らしいものだ」などと話していたといいます。

その上で「我が国はいま超音速旅客機の問題について今一度考える必要がある」「全ての作業は不具合を出さずに進行しているにもかかわらず超音速旅客機を作らないのは何故なのか」と話し、Tu-160をベースとした超音速旅客機の製造を支持したとしています。

超音速旅客機に関しては最近、特に欧米で研究開発が進められていると複数報じられているのですがロシアではそのような動きを見せていませんでした。その影響なのかプーチン大統領はTu-160を改装する形で運用を目指したい考えを持っていると思われます。


Tu-160は爆撃機の中でも飛行速度に応じて翼の後退角が動く可変翼超音速戦略爆撃機で30数機が製造されており、2014年より発展型のTu-160M2の製造が始まっており2020年以降に配備が始まるとされています。
機体スペックとしては翼を広げた機体の大きさは50mプール2つ分ほどのサイズのとなり全長約54m、翼幅は約55mです。兵器搭載量は40トンで航続距離は10,000~14,000km。最高速度はマッハ2.05となっています。

▼Tu-160の断面図。客室として使えるのはスペースはコックピットの後方から機体中央付近まで。座席数は最大でも40以下か。
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機体の爆弾倉を旅客スペースに変更するなどして超音速旅客機として利用は理論上は可能と考えられるものの、旅客機にするためには整備費や運用コストを抑えるため例えば翼を固定翼にするなどの大幅な設計変更が必要になってくると考えられます。客室の防音や乗り心地の改良なども必要となってくると考えられ、Tu-160をベースとした改装というのは実際のところはかなり難しい点も多いと考えられます。