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地球に最も近い天体『月』。最近は水などの資源があることが分かり注目されている天体の1つなのですが、将来実施される月面への着陸についてアメリカ航空宇宙局(NASA)はその着陸船を民間企業と協力して開発する趣旨の内容を発表しています。

Space.comによると現地時間7日に行われたブライデンスタイン局長によると会見でNASAは宇宙飛行士が再び月に戻ることができる再使用可能な着陸船を開発するため、アメリカの企業と協力し開発する構想を発表したと報じています。協力を求める企業の募集期間は3月25日までとなっています。

NASA Wants Help from Private Companies to Land Astronauts on the Moon by 2028 | Space

アメリカは国際宇宙ステーション引退後の宇宙開発として火星への有人火星探査を構想しています。その段階で必要となってくるのは月軌道上に建設される『ゲートウェイ』という小さい宇宙ステーションです。ゲートウェイは火星有人火星探査を実施する過程での中継基地となるのですが、ロシアや中国が有人月面探索及び基地の建設などを発表したこともあり、アメリカも再び有人月面探査を実施する計画を追加で発表、決定していました。

そこで必要となってくるのはゲートウェイと月面を行き来できる着陸船です。この着陸船に関して、NASAは『再使用可能なもの』としアメリカの国内企業と協力するとしてます。記事によると、着陸船の試験飛行は2024年に実施し2028年に再び人類を月面に戻す計画になっています。

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具体的なスペックについては明らかになっていないのですが、公開された画像では2名の宇宙飛行士が映し出されていることから、最低でも2人の宇宙飛行士搭乗できる着陸船になると考えられます。また着陸船は再使用型としているのですが使用する燃料については、当面は地球から打ち上げられた燃料を使用し再使用するとしており、将来的には月に存在する氷(水)から液体酸素や水素などを使用する構想となっているとのことです。
また局長によると前回のアポロ計画のように試料を地球に持ち帰るというだけではなく「月面に持続可能な形で人類が滞在できるようにしたい」と主張しており、月面基地の開発も構想していることが伺えます。

既に構想されている再使用可能な着陸船

再使用型月着陸船(ロッキード・マーティン)_1

実は昨年10月の段階でロッキード・マーティンが再使用可能な月面着陸船のコンセプトを発表しています。ロッキード・マーティン案では着陸船の重量は燃料を含め68トンで4人の宇宙飛行士を載せ月とゲートウェイ間を行き来することができるものです。燃料については月面では再補給することなくそのままゲートウェイまで上昇することができるというものになっています。

よく考えるとゲートウェイはそもそもボーイングが発案したものが原点になっていることを考えると、着陸船については構想を発表したロッキード・マーティンが開発を担当する可能性が高いと考えられます。