硬い甲羅で覆わたその姿は現代生きている生物の中でも風変わりといって箚し違いないのですが、そのカブトガニに関して最新の研究によると実はカニの仲間ではなくクモのの仲間に属していたと発表されています。
「生きた化石」として知られるカブトガニは、実はクモと同じ仲間であることが、新たな研究で示唆された。2019年2月14日付けで学術誌「Systematic Biology」に発表された論文によると、カブトガニはクモやサソリ、ダニなどと同じクモ綱(クモガタ綱とも)に属するという。この研究では、カブトガニ類とクモ綱の生物について膨大な遺伝子解析を行い、その結果をもとに最も妥当と思われる系統樹を作り上げた。最も古いカブトガニにご先祖様は現在のところ推定4億5000万年前の地層から見つかり、その姿は現在と殆ど変えていないという驚きの生物なのですが、実はこのカブトガニは水中にいるカニ(軟甲綱)の仲間ではなく現在陸上で生息しているクモやサソリといったクモ網の仲間であったことがわかったとしています。
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記事によるとこの発見は、特に遺伝子学が進んだ現在では従来の説を覆す研究が他にも報告されていたといい、今回の研究が正しければ私達の身近にいるクモ網がどのように進化してきたのかその過程に大きな修正を加える必要があるほどの大発見になるとしています。
非常に難しいことが書かれているのですが、カブトガニは元々水中に生きていた三葉虫といった海洋生物が進化した結果現在の姿に変化したと考えられていたもの、今回の研究からは陸上で生きていたクモがどうやら水中での生活に適用した結果の姿ということになるといいます。
カブトガニといえば陸上のクモとは異なりその一生を水中で過ごします。ただ、繁殖や産卵は陸上で行っています。この生体は実はかつて陸上の水辺で暮らしていた頃の名残ではないかと思ってしまうのですが、何れにしてもその姿や生き方は陸上で暮らすクモやサソリとは明らかに異なる姿をしています。
現在空で生きる鳥がかつて陸上を支配していた恐竜に属していることを考えると、私達は見た目から「アレに似ているからコレにちがいない」とつい判断してしまいますが、数億年という生物進化の前では鳥もカブトガニも想像できないほどの見た目の変化が起こっているということになりそうです。