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韓国の複数メディアによると、韓国の文在寅大統領が昨年9月北朝鮮に訪れた際、金正恩委員長と共にドイツ車のオープンカーに乗り手を振るなどしていた件について、国連はこの時撮影された写真を元に北朝鮮の制裁決議違反例として公式文書に掲載したと報じられています。

韓国メディアSBSによると、今月12日に公開された国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁委の専門家パネルによる年次報告で、昨年韓国の文在寅大統領が訪朝した際に撮影された写真に関して制裁決議違反例として取り上げたと報じています。

외교부 "유엔 전문가 보고서 文 대통령 사진, 제재와 무관"

具体的には、掲載されたのは2018年9月18日文在寅大統領が訪朝した際に北朝鮮の首都平壌で金正恩委員長と共に改造されたメルセデスベンツ・マイバッハ S600 プルマンガードのオープンカーに乗り一緒に手を振るなどしていた写真になります。

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これについて韓国の外交部は、昨年11月にパネル報告の案が作成された時点で文在寅大統領が載った写真が国連制裁違反例として掲載されることについて「不必要に誤解を与える可能性があるという点から専門家パネルに懸念を伝えた」などと外交部が発表しており、この時点で何らかの対応をとっていたことを明らかにしました。

しかし、その抗議を受け入れられない形で2人が仲良くオープンカーに乗る写真を取り上げ国連制裁決議違反例として公式文書に掲載しました。韓国外交部は「写真掲載がレポートの全体的な意味や趣旨に関係ない」「(韓国は)制裁違反例とは無関係だ」などと主張しているとのことです。


当時2人が乗り込んだベンツ車については当初から制裁違反違反ではないかという指摘がされていました。マイバッハ S600 プルマンガードについてはそもそもオープンカーは存在しておらず、メーカー側によると改造することはできるとしているものの、この車両については北朝鮮国内で改造された可能性が高いと韓国メディアが昨年9月の時点で報じています。(参考)

国連の対北朝鮮制裁委の専門家パネルはアメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の常任理事国と韓国・シンガポール・日本の8カ国で構成されており、報告書は1年に2回、北朝鮮による禁輸品の密売や武器の輸出、違法ハッキングや金融活動などの違反例を公開しています。