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先日、アメリカと北朝鮮との首脳会談が物別れに終わったことを受け韓国最大野党、自由韓国党代表は独自核武装論について、今後の安全保障を含め公論する必要性を訴えていると報じられています。

韓国の複数メディアによると今月14日、沈在哲という国会議員が開いた「今こそ核武装を検討するべきだ」という討論会に祝辞を送る形で、最大野党「自由韓国党」の黄教安代表が「独自核武装について議論する必要がある」という趣旨の表明をしたとして波紋が広がっていると報じてます。

황교안 "자체 핵무장론, 무조건 접어놓을 수만도 없어"

記事によると、黄教安代表は昨今の朝鮮半島情勢などを受け韓国の安全保障について深刻な懸念があるという考えを示しています。それは与党のムン・ジェイン政権がとりわけ米韓同盟をないがしろにするような態度を取っていることで韓国の安全保障体制が崩れていること、そして国際社会に対しても北朝鮮の保証人のような役割を務めているなどと主張しました。
その上で、今後更に事態がエスカレートすることも考えられることであり今の時点で独自核武装について公論する場は設けるべきだという表明しているとのことです。

ただ、仮に独自核武装論の話しが進んでいった場合について、黄代表は「韓国の戦術核の配備は可能だろうが世界が非核化に進んでいるにもかかわらず、新たに核武装をするというのは国際社会は受け入れないだろう」とも主張しているとのことです。

ここで疑問なのは黄代表は米韓同盟を強化したいという意図の発言をしている一方で、なぜNATOにおけるニュークリア・シェアリングのようなシステムではなく独自に運用できる核兵器を持ちたいと話しているのかです。


ニュークリア・シェアリングとはNATO加盟国のうちベルギー、イタリア、ドイツ、オランダがアメリカと結んでいる条約で、それぞれの国がアメリカの管理の元で国内に限定し使用するための核兵器になります。つまり韓国はそのようなニュークリア・シェアリングとは異なり独自に運用可能な核兵器を持ちたいというものであり、その攻撃対象となるのは北朝鮮以外にも当然日本、中国、ロシアといった隣国も含まれてくるということになります。それを証明するように韓国は原子力潜水艦を保有したいという意図を示してることから、少なくとも核兵器による攻撃対象国は北朝鮮だけにとどまらないということは明白です。

ちなみに与党の共に民主党は黄代表の発言について「核武装は事実上不可能だ」「核武装をしようという主張は朝鮮半島の平和にはまったく役に立たない」などと強く批判してるとのことです。