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高精度な衝突非回避センサーを備えるなど近年私達一般人でも手軽に空撮撮影を行える時代になりましたが、一方でドローンの飛行時間は短いという欠点があります。この問題に関して米研究チームはドローンの飛行時間をおよそ2倍にできる新しい運用方法を開発しました。

アメリカのケース ウェスタン リザーブ大学のVikas Prakash博士が率いるオハイオ連邦研究ネットワーク(OFRN)はプロペラで飛行する飛行機型無人航空機を作り1回あたりの充電に対して最大で171分の飛行時間まで伸ばすという画期的な運用方法に成功したと発表しています。

Ohio Federal Research Network team demos battery with double lifespan – Ohio Federal Research Network

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研究チームによると一般的なバッテリー配置では飛行時間は91分間だったのに対して約2倍の飛行時間を獲得することができたといいます。もちろん、搭載したバッテリー以外は全く同じ飛行機を利用しているのですがどのようにして飛行時間を拡張することができたのでしょうか。

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発表によると、バッテリーを一般的なドローンのように機体中央に集中させるのではなく翼に配置したことで倍増させることができたといいます。
私達が利用できる航空機の翼にも実は燃料タンクが搭載されており、翼にプロペラを回す元となる燃料(バッテリー)を配置するという考えた方は第二次世界大戦時代の航空機には既に採用されていました。

▼ボーイング747-400における燃料タンクの配置(灰色)
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今回の発表によると、翼にバッテリーを配置することで機体中央のスペースを有効活用できるというメリットも生まれるとしており、ドローンを用いた配達などアクセスしやすい機内スペースを無駄にすることなく、かつ機体重量も軽くすることができるとしています。これはバッテリーそのものが機体構造を強化させることができるため必要なパーツが減るという理由があると考えられます。

ただ、翼にバッテリーを配置するとなると再充電に伴うバッテリーの交換が困難になる可能性が考えられ、機体の稼働率が大幅に低下するという欠点が生じてきます。またバッテリーそのものが消耗した場合はスマートフォンのような完全な埋込み型になると機体のコストパフォーマンスが極めて悪くなる可能性も考えられます。