image_59

通販大手『アマゾン』CEO、ジェフ・ベゾス氏が率いる民間宇宙開発企業『ブルー・オリジン』が現在開発しているニュー・グレンに関して最終的に人工衛星などを軌道に投入する第2段ロケットの回収、または軌道上での再利用に関して検討を始めていると報じられています。

Space newsによると、ブルーオリジンの戦略担当をしているBrett Alexander氏が発表したもので、あくまでNASAの資金提供を受けた研究の一環として、将来打ち上げを目指すニュー・グレンロケットの上段を地上または軌道上で何らかの再利用を行う研究を行っていると報じています。

Blue Origin studying repurposing of New Glenn upper stages - SpaceNews.com

ブルーオリジンによると、少なくとも現時点でロケット上段を再利用する運用方法は考えていないとしているものの、あくまで研究用として開発を進めているとしており、NASAと昨年8月に地球低軌道における商用宇宙飛行に関する研究としてロケット上段の再使用が契約の1つとなっていたといいます。

▼フェアリングを分離するニューグレンロケット(第2弾 CGイメージ)
image_60

具体的にどのように再利用するのかは2通りあるらしく、2段ロケットを地上に戻し再使用する方法、そして人工衛星などを展開したあと軌道にとどまり続け別のミッションに使用するという案だといいます。

特に後者については地球軌道で商業利用する居住モジュールもしくは何らかのモジュールとして利用するという奇抜な内容も含まれているとしているとしています。これはかつてスペースシャトルの外部燃料タンクもモジュールとして利用する案があった記憶があるのですが、結果的に実現することはありませんでした。

▼ニューグレンロケット 第1段の回収を示した映像


ニュー・グレンロケットは打ち上げ後、地上または船舶に着陸させる方法で再使用可能なロケットとして2021年に打ち上げを目指し開発が進められている超大型ロケットです。現在、開発費用はフロリダ州にあるロケット組立工場10億ドルを含め総事業費は25億ドルとなっています。