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国内外の複数メディアによると、先日NASAの長官が米連邦議会で主に国際宇宙ステーション引退後の次の宇宙開発として再有人月面着陸、及び有人火星着陸を実施すると発表しました。

これはAFPなど複数メディアが伝えているもので、今月2日米連邦議会の公聴会の場でJim Bridenstine長官はNASAとしては2024年に再度有人月面着陸を実施し、その9年先となる2033年末には有人火星着陸を成功させることを目指すと発表しました。

▼月軌道に建設するゲートウェイ(構想)
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NASAにおける現時点での宇宙開発は月軌道にゲートウェイという小型の宇宙ステーションを建設し、地球からゲートウェイまでの行き来はNASAが運用を目指すオリオン宇宙船が使用されます。ゲートウェイから月面までは再使用可能な月面着陸船を開発し、これにより2024年末までの有人月面着陸を目指します。
この「2024年」という目標についてはご存知の方も多いように先月アメリカのペンス副大統領が発表していたものと同じになります。

▼月着陸船(構想)


有人月面着陸については当初アメリカ政府の意向で「行わない」としていたものの、中国やロシアが有人月面着陸の実施を計画していることから、宇宙開発でも最先端の技術力を誇るアメリカが中国やロシアといった国々の影に入ってしまう恐れを指摘されていました。その後、結果的に追加という形で有人月面着陸が発表され、現在の米政権により正式なミッションとして実施されることになりました。

NASNとしては月面着陸で有人火星着陸における技術を獲得した上で、ゲートウェイ建設の本来の目的であった火星着陸および探査を2033年末までに実施するとしています。ただ、月とは異なり火星着陸、地球と火星の距離が接近したときにしか実施できないという大きな制限があり、打ち上げ期間を逃すと年単位で実施が遅れていくことになります。

▼ボーイングによる有人火星着陸案。ロッキード・マーティンによる案も存在しています。

有人火星着陸に関してはこれまでも2030年代に実施予定という大雑把なことしか言われていなかったのですが、トランプ政権下では2033年末と明確に年を設定してきました。ただし予定通り実施されるのかは全くの未知数であり、過去の数々の宇宙計画からは少なくとも2033年より前に実施されということはまずありません。したがって、ある程度余裕を見ると2033年~2040年頃には実施可能ではないかと考えられます。

何れにしてもこの計画は共和党トランプ政権下が進めたいという宇宙計画であり、次の選挙で共和党が野党になった場合、民主党により再度宇宙開発は大きく方向転換される可能性があります。

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