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先日、アメリカのペンス副大統領及びNASAが発表した2024年までに有人月面探査を再度実施するという計画に関して、F-35やF-22の開発でお馴染みの航空宇宙大手ロッキード・マーティンが有人探査を可能とする着陸船『アーリー・ゲートウェイ』を発表しました。

海外の宇宙関連サイトによると、今回ロッキード・マーティンが発表していたのはボーイングが中心となり建設する月軌道上のゲートウェイから発進可能な有人月面着陸船『アーリー・ゲートウェイ』というものです。これは事実上過去に発表されていた再利用可能な着陸船とほぼ同じものになります。

Lockheed Martin Proposes 'Early Gateway' to Put NASA Astronauts on the Moon in 2024 | Space

アメリカは今後の宇宙開発として主に月軌道上に建設する小型宇宙ステーション『ゲートウェイ』を中心に活動を行うこととしており、その中でも大きな計画としてトランプ政権が進めているのは再度有人月面探査を行うというものです。見出しでも紹介したようにその時期は2024年と従来よりも4年ほど前倒しされており、これを実現するために直ちに各種モジュールの建設を始める必要があります。

その一つが実現に不可欠な着陸船です。事実上それを開発できるのはロッキード・マーティンのような技術がある企業しかないのですが、今回『アーリー・ゲートウェイ』を開発することで同社が主張するには2024年には間に合わせることができると説明しています。


▼2024年に実現可能な有人月面着陸の想像図。左からオリオン宇宙船、ドッキングポートを介して軸上にPower and Propulsion Element (PPE)モジュール、90度方向にアーリー・ゲートウェイ(月面から帰還したもの)が写っています。
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英文であるため誤りがある可能性があるのですが、簡単に説明するとアーリー・ゲートウェイはNASAが求めていた再利用可能な着陸船となっており、ロッキード・マーティンが開発するものについては完全ではないものの一部を除き再利用可能な4人乗りの有人月面着陸船となっています。

アーリー・ゲートウェイはアポロ時代の着陸船と同じようにコマンドデッキと上昇・降下ステージの2つで構成されており、この内宇宙飛行士が乗り込むコマンドデッキはほぼすべて、上昇・降下ステージに関しては減速用に必要なエンジンや燃料タンクなど比較的大型の装置を除き上部の多くを再利用することができるとしています。ちなみにNASA側は2つではなく3つ構成の着陸船システムを求めていたとも掲載されています。

アーリー・ゲートウェイの開発については同じくロッキード・マーティンが開発しているオリオン宇宙船のコンポーネントを流用することで開発スピードを早めることができるとのこと。着陸可能なエリアは任意の地点だとしており、氷がある月の南極への着陸もサポートされています。

▼カナダアームなどが搭載された2024年以降のゲートウェイ像
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月軌道上に建設されるゲートウェイに関してはドッキングポートなど必要最小限に近い構成で有人月面着陸を実施するという内容も書かれています。

現段階でNASAが正式にどのように有人月面探査を実施するのかは正式に発表はされていないのですが、確実に開発可能でかつ信頼性と実績がある企業はロッキード・マーティンくらいしか存在しておらず事実上この案で決定ということになると考えられます。