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今月11日イスラエルの無人月探査機がコントロール不能に陥り月面に墜落した件について、この探査機に搭載していたLunar Retroreflector Array(LRA)というNASAの機器は非常に頑丈に作られているため、もしかしたら壊れずに生き残っている可能性があるとのことです。

Space.comによると、生き残っている可能性があると指摘されているのは着陸船に対して正確な着陸を行わさせるための反射板で開発したNASAによると月の厳しい環境で耐えるよう設計しており、墜落後も壊れなかった可能性があるとしています。

NASA's Piggyback Experiment on Israeli Moon Lander Could Aid Future Lunar Touchdowns | Space

Lunar Retroreflector Array(以下LRA)は、アルミフレームで覆われたドーム状のもので石英のキューブコーナーで作られた構造になっているとしています。大きさはパソコンのマウスよりも小さく軽量なのですが、耐放射線性に強いなど長寿命に設計されており墜落の衝撃でも壊れ無かったのではないかと、現在月軌道を周回している探査機ルナー・リコネサンス・オービターに搭載しているレーザ高度計(LOLA)の主任研究者であるMIT研究者は語っているとのことです。

仮に生き残ったと想定した場合、LRAは埋もれていたり裏返っていた場合はどうしようもないとしたうえで、仮に表面月面に晒していた場合、受信角度が120度の範囲でレーザーを跳ね返し探知することは可能だとしています。したがって、ルナー・リコネサンス・オービターに搭載されているレーザ高度計(LOLA)を照射すれば信号を捉えることができるとしています。

ルナー・リコネサンス・オービターは現在、イスラエルの探査機がいったいどのような状況で墜落したのか研究を進めることになっていとのことです。

▼探査機が最後に送信してきた画像
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現時点で明らかになっているのはイスラエルの月面探査機は最初のトラブルは月表面からの高度14.7kmで発生し、約150mの高度で探査機との通信は完全に途絶えました。このときの地表速度は500km/hだったとしており、結果的にそのまま高度を下げ激突したと考えられています。