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少なくとも新しい機体とは言えないF-15。この機体に関して先月、米空軍は来年以降5年間に合計数80機の空軍型F-15の追加配備する予算要求を提出しました。最新のF-35ではなくなぜ旧式のF-15となったのか。ボーイングによると「近年F-15に対する関心が高まっているためだ」と主張しています。(画像は参考資料)

大型の制空戦闘機F-15。日本の航空自衛隊も配備しているこの機体は現在主力戦闘機となっているのですが、改修は施されているものの機体デザインは開発された1970年代前半のまま大きな変化はなく、少なくともステルス機のようななデザインにはなっていません。

Boeing prepares St. Louis plant for likely Air Force F-15 orders

この戦闘機に関して実はアメリカでは来年に8機、来年以降4年間に合計で72機、つまりこれまら5年間で80機を追加配備したいという空軍の予算要求が提出されました。これは空軍が要求している80億ドルの一部に含まれています。

Air Force Timesによると、その機体を製造するボーイングは予算要求が承認される前の段階から生産ラインに対する投資を行っているとしており、米空軍が求める迅速な配備に対応できるようにしているとしています。現時点で同社の技術者や製造の専門家が集まり戦闘機を効率的に組み立てる方法も既に話し合っているとのことです。

F-15に関してはF-15Eという戦闘爆撃機型については生産が続いています。その上でアメリカ空軍が配備するのは産経ニュースによると、『カタール向けの「F-15Q」やボーイング社の自社開発案「アドバンスド(いわゆるF-15 2040Cと呼ばれる機体)」をベースにしたもので、E型(ストライクイーグル)の派生型である「F-15X」になる』と報じてます。

▼F-15E ストライクイーグル、最大兵器搭載量は11トンで搭載量の単純比較では第二次世界大戦時の爆撃機B-29(9トン)を超える
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F-15Xとはどのような機体なのでしょうか。産経ニュースの記事によると、コックピットはタッチパネルを搭載した大型のデジタルディスプレイを採用しレーダーはAPG-82というAESA(アクティブ電子走査アレイ)を搭載。そしてミサイルの搭載数は機体構造を強化することで空対空ミサイルの最大搭載数は合計で22発搭載可能。想像される対地ミッションの兵装としては空対空ミサイル8発にGBU-39という小直径爆弾であれば最大28発搭載可能だとしています。
機体デザインは従来のF-15Eを踏襲しているらしく過去に発表されていた前面ステルスのF-15SEと呼ばれるステルスに配慮したデザインは採用されていないとしています。

一方でF-16などの機体の後継機となるF-35Aはこれほどの大量のミサイルは搭載することができず、大量搭載できるビーストモード時にはステルス性能はほぼなくなるためわざわざ運用コストの高いF-35を配備するよりもF-15Eの派生型となるF-15Xを配備したほうがコストパフォーマンスにも優れると考えているものと思われます。またテロとの戦いではステルス性能はそれほど重要ではないのでステルス機能は必ずしも必要ではありません。

F-15Xは将来的には無人機としても運用可能になったり複数の無人機を引き連れてミッションを行えるよう仕上げられる可能性も考えられます。F-15としては最終派生型になると考えられるのですが今後何十年も飛び続けるという非常に寿命の長い機体ということになりそうです。