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ここ最近、航空分野のトレンドどいえば超音速・極超音速というキーワードです。これは音速を超えた飛行速度で飛行することが可能な機体なのですが、先日Hermeusという企業がその機体を開発する資金調達を完了したと報じられています。

Space.comによると今月、Hermeusが発表した声明の中で音速の5倍以上という極超音速で飛行可能な旅客機を開発するための資金調達(具体的な数は書かれておらず不明)が完了したなどと発表したと報じています。同社はこれを元に今後5年以内に試験飛行を行い8~10年以内に商用フライトを実施する予定とのことです。

Startup Hermeus Wants to Build a Hypersonic Jet That Flies at 5 Times the Speed of Sound | Space

同社の締役会にはブルーオリジンの元前社長やロッキードマーティンのスカンクワークスのゼネラルマネージャーらが含まれていたなどと記載されています。CEO AJ Piplica氏によると、開発しようとしている極超音速旅客機についてはインターネットの接続速度が急速に速まった時代のブロードバンドに例え、従来の亜音速機と同社が開発する極超音速機はこれまでよりも遥かに高速で世界の都市をつなぐようになるとしています。



具体的な機体スペックとしては最高速度は時速4,800km/hで、ニューヨークからロンドン間の飛行時間は従来の7時間から1時間30分に短縮することができるとしています。また他のメディアによると、機体はチタンなどが使用されるとしており、最も開発が困難なエンジンに関してはガスタービン(ジェットエンジン)を主軸とした複合サイクルエンジンを搭載するなどとしています。


極超音速機については大手を含め各航空会社が開発を進めているものの現時点で試験機が開発されたという報道等は現時点でほとんど無いと考えられます。いずれにしてもアメリカでは国土上空での超音速の飛行が制限されているため、例え機体の開発に成功できたとしても制限をどうにかしない限り現実的な運用は不可能と考えられます。