国内外の複数メディアによると、台湾政府は今月6日アメリカが開発し運用している主力戦車M1A2エイブラムス及び、対戦車ミサイル、対空ミサイルの売却をアメリカ側に要請したと伝えられています。
【6月7日 AFP】台湾は6日、米国から最新鋭の戦車と携帯型ミサイルを購入する意向であることを認めた。これに対し中国は激しく反発している。今回報じられた内容については実は今年4月の時点で明らかになっていたもので、4月11日アメリカ政府が台湾に対してM1A2 エイブラムス戦車の販売交渉が完了したなどと伝え、今後正式に輸出に伴う発表が行われる予定だしていたことの続報になります。
台湾の国防部(国防省)は、主力戦車「M1 A2エイブラムス(M1 A2 Abrams)」108両、対戦車ミサイル「ジャベリン(Javelin)」と「TOW」1500発余り、携帯型地対空ミサイル「スティンガー(Stinger)」250発の売却を正式に要請したと発表した。
略
AFPBB News
事実上台湾が購入することになったM1A2 エイブラムスはアメリカ陸軍でも第一線で活躍している主力戦車です。これも以前リークされていたとおり輸入数は108輌となりました。調達額については詳しくは書かれていないものの4月に報じられた内容ではこの戦車だけで総額198億台湾ドル、日本円で715億円としています。
台湾ではM60という一世代前の旧式の戦車が未だに運用されている他、国内開発された2.5世代戦車もあるものの製造されたのは25年ほど前です。M1A2 エイブラムスは戦後に開発された第3世代戦車として高い攻撃力・防御力を誇る戦車で実戦経験も豊富でありその性能は折り紙付きとなっています。
あわせて購入が発表されたのはジャベリンとTOWという対戦車ミサイルです。ジャベリンは主に兵士が運用する携帯型対戦車ミサイルで、TOWに関しては主に兵士を乗せる装甲車などに搭載し放つ運用方法がとられます。購入数は1500発。
携帯型地対空ミサイル『スティンガー』についても主に兵士により運用する肩持ちの兵器として非常に有名です。こちらは250発を購入するとのこと。
記事によると今回の戦車から各種ミサイルの購入額は合計で20億ドル(約2,200億円)に達するとしています。
▼対戦車ミサイル『TOW』の試験。爆発は戦車内の誘爆によるもの
▼スティンガーミサイルの試験