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表面が氷で覆われた木星の衛星エウロパ。この衛星の地表には特徴的な黄色い模様が多く確認できるのですが、ハッブル宇宙望遠鏡による複数回の観測結果としてNaCl、つまり塩化ナトリウムの可能性が極めて高いことが明らかになったとしています。

リフォルニア工科大学の研究チームは2017年5月から8月にかけ4回の木星の衛星エウロパの地表を観測した結果、常に木星側に地表を向けている側に広がる黄色い謎の模様について、これまで予想されていたとおり塩化ナトリウムだった可能性が高いという観測結果が得られたとしています。

The Ocean on Jupiter's Moon Europa Has Table Salt, Just Like Earth's Seas | Space

記事によると、これはハッブル宇宙望遠鏡に搭載されたイメージングスペクトログラフという装置を使い太陽光から反射する光から吸収線を観測することで物質が何か調べるというよく使われるものを使用したもので、結果450ナノメートルの波長で吸収線が見られたとしています。この450ナノメートルは塩化ナトリウムの吸収線だと説明しています。

研究者によるとこの塩化ナトリウムは「エウロパ内部のものが起源だ」と説明しているのですが、「必ずしもそうとも言い切れない」と付け加えています。その理由は隕石由来という説も可能性としてはゼロではないためです。

▼地球、月、エウロパのサイズ比較
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木星の衛星エウロパには厚い氷の下に広大な海が広がっていると考えられており、その水の量は推定で地球の海の実に2倍の水量があるとされています。液体の水が存在することができない太陽からの距離に位置している一方で内部に液体があるというのは何らかの熱源があり、水が循環している可能性を示唆しています。

衛星エウロパはNASAの観測によると2013年から2016年にかけて複数回の観測でエウロパのちひょうから最大で200kmまで昇る水の噴出現象を観測しており、いずれにしてもエウロパ内部に液体があり何らかの熱源が存在していることはほぼ確実となっています。