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韓国の複数メディアによると、今月15日韓国北東部の海域で複数の漁師から不審な船がいるとして当局に通報がありました。一方で、軍などの警戒監視網がほとんど役に立っていないのではないかという厳しい指摘がされています。

韓国メディア『連合ニュース』によると、6月15日午前6時50分頃、日本海に面する三陟港沖合で漁民4人が乗った北朝鮮の漁船が発見され、当時韓国人の漁師により当局に通報される出来事があったと伝えています。

北어선 삼척 앞까지 150여㎞ 표류하는 동안 군경은 식별 못 했나 | 연합뉴스

記事によると、北朝鮮の漁船は南北の境界線でるNLL(北方限界線)を超え直線距離で130~150km南下した三陟港沖合まで漂流していたといいます。当局によるとこの漁船はエンジントラブルで漂流していたとしています。

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なぜ北朝鮮の漁船が韓国の目と鼻の先で発見されたのか。当局は漂流している北朝鮮船舶の発見経緯などを調査中だとしています。しかし、住人らからは何故レーダーなどの監視網ではなく一般人からの通報で初めて確認されたのか疑問視する声が寄せられており、識別していなかったのであれば沿岸監視システムに大きな抜け穴があるのではないかと指摘する声が寄せられているとのことです。

記事によると韓国では過去にも同様の出来事が発生しており、2009年には北朝鮮の住民が乗った船が軍のレーダーに捕捉されたものの実際に海上警察が現場に到着し亡命船であることを確認するまで実に1時間以上もかかった例があるとしています。このときも非常に珍しい形の船が航行していると住民らからの通報が相次いでいたものの当局の対応が遅れ航行し続けていたことが問題視され国政監査でも粗末な沿岸海域警備に強い叱責があったとされています。

この手の監視網については日本でも漂流する北朝鮮船舶と考えられる多数の船が漂着しており、同様の問題は実際のところ日本でも発生しています。例として秋田県では2017年12月に北朝鮮の漂着乗組員が上陸し呼び鈴をならし住民に助けを求めるという出来事が確認されています。