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ソウルから北に南北軍事境界線に近い臨津閣(イムジンガク)に長らく放置されているのは新品のトラクターです。なぜ新品未使用のものが永遠と放置され続けているのか実はこのトラクター、韓国の農民団体の連合体『全国農民会総連盟』のもので北朝鮮に送る予定のものだったとしています。

韓国メディアSBSによると、京畿道坡州市臨津閣にある平和ヌリ公園にはかれこれ場違いなトラクターが26台並んでおりかれこれ2ヶ月ほど放置されているという実態を報じています。

'대당 4천만 원' 北에 보내려던 트랙터 임진각에 방치

記事によると、このトラクターは「農民の権益保護や韓国人の自主的な経済建設を目指す」と主張するする文在寅大統領の支持団体の一つ『全国農民会総連盟(全農)』が用意したもので、今年の4月27日、昨年板門店で行われた南北首脳会談1周年を記念して全農が北朝鮮に贈ろうとしたものです。

▼5月に報じられている放置された統一トラクター


放置された一部が錆びつつあるいわゆる『統一トラクター』には「対北制裁解除」などの政治的なフレーズが付けられているのですが、トラクターそのものが国連の制裁措置に抵触する戦略物資に分類されており国連の許可なしに北朝鮮に贈ることは不可能とのことです。

このトラクターは公園内に車道に置かれており、現在は明らかに不気味な存在になっているらしく、同施設の体験場では今年のこどもの日には売上が1/10にまで減るなど被害を訴えており、そもそも人が立ち寄らなくなったとも話しています。また訪れた観光客もトラクター車列を避けるように遠回りして園内を見学しているとのこと。
坡州市にはトラクターを移動してほしいという苦情も相次いでいるとしています。

全農によるとトラクターは1台4000万ウォン(約400万円)。記事によると全農により今週中にもトラクターを移動するという予定が計画されているものの保管する場所が見つかっていないなどと報じています。