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先日、アメリカの民間企業スペースXが打ち上げた大型ロケット『ファルコンヘビー』に関して、打ち上げ時に人工衛星を包んでいたフェアリング(1基あたり約7億円)の回収に成功していた件について、当時撮影された映像が公開されました。

Space.comによるとアメリカ時間先月25日に打ち上げられたファルコンヘビーロケット2号機によるSTP-2ミッションに関して、打ち上げに使用したフェアリングの回収に成功したことに関してSpaceXは公式のツイッターアカウントで映像を公開したと伝えています。

See SpaceX Falcon Heavy Fairing Return to Earth in Amazing Video | Space



まず上の映像は分離されたフェアリングの様子です。実はこのようなフェアリングに搭載された映像というのは非常に貴重であり、過去に公開されたケースはほとんどありません。映像では大気圏再突入により圧縮された大気と接触することで大気中の粒子が加熱することで青白い光として目にすることができるとしています。

フェアリングは打ち上げから4分8秒後、飛行速度は11,400km/h、高度約160kmの宇宙空間で分離。その後、フェアリングはパラフォイルを展開し洋上に展開した専用の回収船まで滑空飛行していきます。そして次の映像ではネットを張った有人船により回収されるフェアリングの様子(左上)が確認できます。

ファルコンヘビー及びファルコン9ロケットに搭載されているフェアリングは2分割されるタイプでネットで回収されたフェアリングはその半分になります。残りの半分は着水したものを回収します。

▼洋上に着水したと片方のフェアリング
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打ち上げ時に地球の大気などから人工衛星を保護するフェアリングについては現在運用されている全てのロケットに搭載されています。一方で分離されたフェアリングをゴミとしてそのまま投棄する国やニ日本のように回収する国があるのですが、スペースXは回収した上で再利用することを計画しています。
これはフェアリング1基あたりの費用がロケット全体のコストの実に1/10以上、コストとしては600万ドル、日本円で6億7000万円程度とされており回収し再使用することで打ち上げコストをさらに削減する狙いがあります。スペースXによると腐食性のある海水に付けず空中でキャッチする必要があるとして専用の有人船を開発しフェアリングの回収に向けた試験を何度も行っていたもののいずれも失敗しており、今回のような空中キャッチは技術的に難しく着水したものを回収するという方針転換するような報道も過去にされたことがありました。