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アメリカ空軍が運用するX-37B。宇宙と地球を行き来することできる翼の付いた小型の無人スペースプレーンに関してオランダ人で人工衛星を追跡・撮影している民間人によりその姿を撮影することに成功したと報じられています。

Space.comによると先月末から今月2日にかけオランダ人のRalf Vandebergh氏により米空軍が運用する謎多きX-37Bの姿を捉えることに成功したという内容を報じています。

Mysterious X-37B Military Space Plane Caught on Camera (Photo) | Space

記事によると、Vandebergh氏は今年6月中旬にX-37Bを捉えようと予想されている時間と軌道に合わせ望遠鏡を向けたものの失敗していたといいます。理由はX-37Bが別の軌道に移っていたことだったとしており、その後同様の追跡を多なっているアマチュアネットワークを介して正しい軌道を特定。6月30日と7月2日に地上からX-37Bを観測することに成功したといいます。

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X-37Bはスペースシャトルよりも遥かに小さい機体でVandebergh氏によると高度300kmを周回しているため解像は期待してはいけないと話しています。今回観測された写真ではノーズコーンやペイロードベイ、垂直尾翼と考えられる構造が確認できるとしています。

観測にあたっては10インチ F4.8のレンズを搭載したニュートン望遠鏡が使用されたとしており、6*30のファインダースコープを使用し完全手動による追跡を行ったとしてます。

▼X-37B
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撮影されたX-37Bは2017年9月17日午後2時、ケネディ宇宙センターからスペースXのファルコン9ロケットにより打ち上げられたもので、機種としてはX-37B 2号機で2回目の宇宙飛行です。

X-37Bはスペースシャトルのように小型の貨物スペース(2.1m×1.2m)を背中に搭載しています。米空軍はどのようなミッションを行っているのかは明らかにしていなかったのですが、今回のミッションに関しては『Advanced Structurally Embedded Thermal Spreader II (ASETS-II)』というものが搭載されていると発表しています。その他にも小型の人工衛星も搭載されていたとされているものの、具体的にどのようなものが搭載されていたのかは正確な内容は不明です。

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今年9月には打ち上げから2年を迎えることになります。今回の打ち上げはこれまでよりも比較的高高度に打ち上げられたとしており、現在は高度を下げ340km前後を周回しているとのことで少なくとも残り数ヶ月は宇宙にとどまり続けることができると考えられます。

記事によるとX-37Bの6回目の打ち上げは今年実施されるとしています。