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航空宇宙大手エアバスは旅客機の飛行効率向上を目指す研究のテーマとして地球上の生態に注目し、翼がまるで鳥の翼のような曲線と風切羽のような構造を搭載した機体コンセプトを発表しました。

イギリス最大の航空ショー『ロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥー』で発表されたのは『Bird of Prey』という生態を参考にした設計が施された機体です。エアバスによると、この機体は従来のようなターボファンエンジンのようなものを搭載しているものの、実際はそうではなく電動で動くハイブリッドによる動力を搭載しているとし、飛行効率は極めて高く燃料を30~50%ほど削減できるのではないかと推定しています。

An Airbus futuristic conceptual airliner “takes flight” to inspire next-generation engineers - Innovation - Airbus

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具体的にどのような構造になっているのか。まず翼については現在高速で飛行する機体ではほぼすべて後退翼が搭載されているもののBird of Preyは低速機に搭載されているような一直線上テーパー翼が採用されているように見えます。ただ、翼の付根などを見てもわかるように鳥の羽根の用に機体から盛り上がった位置に付けられており、翼の形状も直線的ではなく流線型です。

そして注目なのは両翼先端の風切羽と尾羽根。従来の機体には風切羽の位置にウィングレットが搭載されているもののBird of Preyではまるで鳥のような風切羽を搭載。そして後方に目をやると垂直尾翼や水平尾翼のようなものは一切見当たらず、こちら鳥のような尾羽根で構成されているという具合です。

いったいどのような構造になっているのかは定かではないもののエアバスの発表によると、風切羽や尾羽根は個別に動かせるようになっているとし高効率の飛行を実現することができると主張しています。特に揚力を全く発生させない垂直尾翼については近年小型化する傾向があるとされ、コンセプトでは撤廃されています。



現在の旅客機に変わる機体デザインについてはこれまでも複数登場していたものの、現在の機体を見てもわかるように新型機であってもほぼ見た目は変わっていません。このような奇抜なデザインの機体については当然製造コストの他にもメンテンナンスにかかる費用が考慮する必要があり、今回のような点検箇所が明らかに増えそうな機体については自己診断できるような人工知能を搭載した新たな機能が必要不可欠になっていくものと考えられます。