再利用型長征2号C_1

ロケットの打ち上げコスト削減のため注目されているのは一度使用したロケットの再使用です。これらは『再使用ロケット』と言われおり、現在世界で唯一アメリカのスペースXが実用化しています。一方、中国でも再使用ロケットの開発は進んでおり先日、グリッドフィンを搭載した長征2号C打ち上げられたと報じられています。

中国メディア環球網によると、今年7月26日に西昌衛星発射センターから打ち上げられた長征2号Cに回収を行うシステムが搭載されレベル1の着陸点精密制御技術の検証に成功していたといいます。この技術については現在アメリカのスペースXのファルコン9で実用化されている以外報告はないそうで、アメリカに次ぐ2番目の国となったとしています。

中国火箭精准回收获突破 用“苍蝇拍”控制姿态_军事_环球网

記事によると、中国国家航天局は試験され7月に実施された長征2号Cロケットは打ち上げが実施された当日の13時40分に貴州省にて残骸を発見。これは予定された落下域内だったとしており、中国で初めて実施されたグリッドフィン分離体着陸安全装置技術の成功だったとのこと。

では具体的に長征2号Cに搭載されているグリッドフィンはどのようなものなのでしょうか。
再利用型長征2号C
こちらが公開された長征2号Cにおけるグリッドフィンです。

参考としてファルコン9に搭載されているグリッドフィン。
ファルコン9のグリッドフィン
長征2号Cのものについてはファルコン9のように付根部分にカバーが別に搭載されていると考えられます。

このグリッドフィンは可動式となっており、宇宙に到達し帰還する際に展開することで飛行機の翼のようにロケットを誘導したり姿勢制御に使用しています。過去ファルコン9ではこのグリッドフィンの動作不良が原因で回収が失敗したことがあり、ロケットの回収には重要なパーツの一つになっています。

このグリッドフィンについて記事によると、見た目のよりも高度な技術を必要としているとしており、空力設計が特に複雑だとしており正しく設計できなければ大きな抵抗が発生してしまうとのこと。また加工技術も非常に要求が厳しく、数千度の高温に耐える必要がある他にも重力の10倍ほどの衝撃にも耐え得る構造にしなければならなかったとのこと。

中国では現在長征2号C以外にも具体的には長征6号Xと長征8号でも再利用に向けた開発が行われています。

▼長征6号X
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▼長征8号