中国の新型有人宇宙船_1

ソ連(ロシア)、アメリカ、そして中国。2013年から開発が進められた現在の神舟宇宙船に替わる次世代有人宇宙船に関して中国は来年にも初打ち上げを実施すると報じられています。

Космическая лентаによると、中国が開発している新型有人宇宙船のプロトタイプに関して2020年10月に長征-5Bを使用し打ち上げる計画が進んでいると報じています。

Китай планирует испытательный запуск нового пилотируемого корабля в следующем году

この新型有人宇宙船はどのようなものなのでしょうか。まず開発が始まったのは2013年で2014年後半には中国政府により開発が承認されました。その後2016年6月に新型有人宇宙船のプロトタイプが初めて打ち上げられました。ただ、サイズは直径が2.6m程度、重量は2.6トンでスケールモデルとなっており大気圏内での飛行特性などが研究されたものと考えられます。

▼地球に帰還したスケールモデル
中国の新型有人宇宙船_4

以降特に目立って報じられることはなかったのですが、2018年11月には同宇宙船に搭載されるパラシュートのテストが実施され2つのブレーキ用パラシュート、3つのメインパラシュートで構成されることが明らかになりました。

中国の新型有人宇宙船_2

来年10月に打ち上げられる新型有人宇宙船は事実上の初号機となると考えられ、無人による打ち上げとなります。スペックとしては直径4.5m、高さ7.23m、内部空間は13m3です。打ち上げ脱出システムについては『従来型』と記載されており宇宙船の先端にダーツのような形状のものが搭載されるとのことです。
ただこの機体については生命維持装置は搭載されておらず宇宙飛行士が乗り込むものとは若干異なっているとのこと。

中国の新型有人宇宙船_3

中国における今後の有人プログラムは地球低軌道に25トンの打ち上げ能力のある長征-5B(CZ-5B)に依存しており、2017年のエンジントラブルによる失敗以降途絶えていた打ち上げは今年第4四半期に再開されます。従って、この打ち上げが成功するか否かにより今後の新型有人打ち上げ計画に遅れが生じてくることになります。