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米韓相互防衛条約いわゆる米韓軍事同盟以降、韓国内では在韓米軍の駐留が認められたアメリカ軍の基地が韓国内に存在しています。この基地に関して韓国の文在寅大統領政権は26箇所について早期返還を推進することを発表したと報じられています。

韓国メディア『朝鮮日報』によると、韓国大統領府は8月30日、国家安全保障会議(NSC)の常任委員会を開き移転予定の計26カ所の米軍基地について早期返還を積極的に進めることになったと報じています。

靑, 주한미군 기지 26곳 조기반환 추진...지소미아 한·미 갈등에 美 압박 나서나 - 조선닷컴 - 정치 > 청와대

記事によると、特に龍山(ヨンサン)基地については返還手続きを年内に開始すると発表。龍山基地については死亡したノ・ムヒョン大統領政権下(ノ・ムヒョン大統領の側近が今のムン・ジェイン大統領)の2004年7月に米韓両国がハンフリーズ基地に移転することで合意。その後、移転が延期されたものの2017年7年には閉館式が行われ本格的な移転が開始。2018年には在韓米軍司令部の移転が完了しました。現在は米韓連合軍司令部が残っているものの今年6月に同じくハンフリーズ基地に移転することが決定されました。

また合わせて江原道原州市のキャンプ・ロング基地、仁川広域市桂陽区のキャンプ・マーケット、京畿道東豆川市のキャンプ・ホビーの3箇所についてもできるだけ早期の返還を積極的に取り組むことにしたとしています。

記事によると韓国では龍山基地の移転計画と米韓連合土地管理計画というもので返還される在韓米軍基地は大小80箇所で既に54箇所は返還済みで残りの26箇所については一部返還、また返還が進められているといいます。

今回大統領府が返還を進めるとした主な理由については合意された返還が遅れていることでその地域では社会経済的困難が発生しているとし、経済的軋轢以外も不便が生じているためだとしています。

韓国では在韓米軍基地の返還問題がどのように取り扱われているのかは謎なのですが、記事によると「大統領府が国家安全保障会議まで開いて在韓米軍基地の早期返還を求めたのは異例だ」としています。

韓国政府は「在韓米軍基地の早期返還は米国側と事前協議したもので、最近のGSOMIAをめぐる両国の意見の相違とは無関係だ」などと発言しておりGSOMIA離脱発生以降、米韓関係に著しい問題が生じていることとは関係はないとしています。ただ、今回の返還の対応は「異例だ」と韓国メディアが報じているようにGSOMIA離脱による冷え込んだ米韓関係に関連した何らかの対応であったことはこれまでの韓国の言動からもほぼ間違いないと考えられます。