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中国国内で豚肉価格が高騰していることに関し、中国政府は備蓄分として冷凍豚肉を放出する計画があると報じられています。

今月12日、新華社通信が伝えた内容として李克強総理は国務院常務会議を開き豚肉の供給を増やし価格を安定させる措置を早急に実施するなど民生保障対策を強調したと報じています。合わせて国家発展改革委員会は農業農村部や財政部など6つの省庁が同じ日に記者会見を開き豚肉の生産量を増やし価格を安定させるという内容を発表しました。

少なくとも近年では見られないほど豚肉価格が高騰している中国。中国では肉といえば『豚肉』であり世界で生産される豚肉のおよそ62.7%が中国で生産しておりてその95%を国内消費していることからも消費量の多さが伺えます。一方で今年8月における豚肉の価格は前年比46.7%も高騰。消費者が購入する豚肉についてはグラムあたりの値段は既に2倍以上にもなっているとされています。

これに関して中国国内では中秋節という春節に次ぐ伝統的な行事が始まり豚肉の消費が増えていることと、来月1日には大型連休となる国慶節(こっけいせつ)が控えており、豚肉の消費が増えることが予想されています。

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問題はどのように豚肉を安定供給させるのかです。中国政府はいくつかの計画が発表されており、その一つとして冷凍備蓄している豚肉を市場に放出するという計画もあるとしています。また豚肉の生産を増やすため大規模な養豚農家が新しく施設を建設するため最大500万元(7600万円)の補助金を支給することを先週発表しています。しかし、豚肉として食べられるまで成長させるには時間的な問題があるため、来年はじめの春節に間に合わない可能性があります。
さらにベトナムと国境を接する広西チワン族自治区では2019年9月より一人あたりの豚肉購入量を1日あたり1kgに制限するなど対策が講じられているとしています。

豚肉高騰の理由

なぜ中国でこれほどまで豚肉の生産量が落ち込んだのか。理由は様々あり最大の原因はアフリカ豚熱病、いわゆる豚コレラです。中国によると昨年4月に豚コレラの蔓延が確認されて以降豚の在庫(頭数)が1/3も減少したとされています。また中国では2014年ごろから管理体制の問題から特に小規模の畜産農家の閉鎖を推進させていたことにも一部理由があるとされています。

中国では国民の不満の矛先が中国政府に向かないよう対策をしているもので間違いなく、当局者は「(中国には)豚肉市場を安定させる能力がある」など記者会見で発表していました。