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地球上に無尽蔵にある塩。この塩なのかは不明なのですが、イリノイ州大学は塩をベースとした推進剤を開発することに成功し宇宙空間で使用できる推進剤についてエレクトロンスプレースラスタと呼ばれる推進装置との互換性が実証されたと報じていられています。

今回同大学が実証したというのは推進剤にイオン液体を用いたイオンビームを引き出すエレクトロスプレースラスタ、通称エレクトロスプレー式推進機などと呼ばれるものです。この推進装置は超小型衛星に搭載可能なものとして開発が進められています。

New Salt-based Propellant Rockets – NextBigFuture.com

高圧ガス系が不要なイオン液体を推進剤とし電界放出現象を利用するという『エレクトロスプレー式推進機』はイオン液体、陽イオンと陰イオンでのみ構成される有機塩で従来のようなイオンスラスタを単純に小型化したものとは大きく異なりサイズや重量の小型化も期待できるという特徴があるといいます。

同大学によるとエレクトロスプレー式推進機自体は最近発見されたものではなく今から20年ほど前から研究が始まっていたといいます。記事によると、イオン液体は非常に小さな管または毛細管を通して供給されるといい、電界を生じさせチューブ内の液体と相互作用し液体から引き剥がされ結果的にチューブから放出される(推進力を得る)とのこと。

記事によると、「このタイプの推進剤は今まで誰も試したことがなく、誰も見たことがないものに期待していたものの実際に現象をみることができた」としています。
今回の研究では硝酸ヒドロキシアンモニウム塩のいくつかが硫酸エミムエチル塩と結合していたといい、2つは推進剤の内部で混合され常に互いに結合しその後分離するということが発生していたとのこと。

この研究はミズーリ科学技術大学、ボストン大学、およびニューメキシコ空軍研究所と共同で行っているもので測定はカートランド空軍基地の装置が用いられた話してます。今回の研究成果はエレクトロスプレー式推進機で用いる有機塩で何が発生しているのか多くの光をあてる研究であり、推進剤内でどのような相互作用が発生しているのか理解する基礎研究に繋がるとしています。

*抄訳したものを掲載しています