image_43

日々宇宙から降り注ぐ塵。その量だけで年間4万トンあまりとされていますが、大きいものは流星や隕石として観測することができます。そんな空からの飛来物に関して、先日チリで何かが落下してきたもののいったいどのような物なのか原因が明らかになっていないと報じられています。

アメリカのネットメディア企業『Futurism』が報じたところによると、9月末にチリの南部に位置する6つの島に相次いで謎の物体が落下したと伝えています。

Flaming Objects Falling From Sky Were Not Meteorites, Experts Say

記事によると、この事案があったのは現地時間先月25日、チリ南部のチロエ島近辺の6つの島に相次いで7つの落下物が確認されたとしています。落下物については車載カメラなどからも撮影されており、間違いなく空から落下してきたもので間違いはないとしているものの、落下してきたものが未だによく分かっていないといいます。

image_45

隕石でも人工物でもない?

空から燃えながら落下するものといえば代表的なのは隕石です。チリの天文学で地質学者でもあるJose Maza氏によると、「隕石かもしくは宇宙ゴミ(人工衛星やロケット)ではないか」と地元のメディアに答えているそうです。

一方、チリの国立地質学者チームは少なくとも隕石ではないと否定したとのことです。これは落下物により火災が起きた現場検証として隕石落下によるクレーターなどの痕が無かったらしくそのような答えを導き出したとしています。

image_44

その上で考えられるのは宇宙ゴミです。宇宙ゴミとしては制御不能になった人工衛星が薄い大気により減速し徐々に速度を落とすことで地球に落下してくるものがあります。また使用済みのロケットの残骸が宇宙ゴミとして落下してくる場合もあります。

前者は極めて高速で地球を周回しているため隕石のように火の玉として観測されその一部は地表にまで落下する場合があります。また後者のロケットの残骸については第1段ロケットでは速度が遅く火の玉にはならずバラバラになるなどし地上に落下する例、2段・3段目の上段については大気圏に再突入する際に火の玉となり地上に落下してくる可能性があります。これは三菱重工の論文でも2段目による地上落下時の災害の危険性があるという理由から「制御した状態での落下が実施された」という内容が掲載されています。

現在チリでは隕石や宇宙ゴミ、それ以外の原因も含め調査が進められているとしており、最終的な結果が出るまでは数週間ほど時間を要するとのことです。