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アメリカを含め数カ国が保有している核兵器。航空機から発射したり投下する空中発射・投下型核兵器も多く配備されているのですが、このような兵器を使用するにあたって爆撃機パイロットは炸裂時の閃光から目を保護するという理由から特殊なゴーグルを着用していることが明らかになりました。

軍事系ニュースサイト『The Aviationist』によると、このゴーグルは『EEU-2A / P』というものでゴーグルが機内で着用された映像が公開されるのは史上初ではないかとしています。今回、初公開されたとされているのはアメリカ空軍の戦略爆撃機B-52 ストラトフォートレスのパイロットが着用しているものになります。

Video Inside A B-52 Flying A Nuclear Alert Training Mission Provides A Rare View Of The Pilots’ Thermal Flash Protective Goggles – The Aviationist



記事によると、EEU-2A / Pは核兵器爆発による最初の熱閃光から目を保護するというものになっているとのこと。実は核兵器が炸裂した場合、この熱閃光により一時的に失明状態に陥り操縦することができなくなることがあるといいます。この失明状態は日中であれば約2分間、夜間で視力の回復まで時間を要し3~10分で徐々に回復し、夜間飛行に適した視力に回復するまでには15~35分間ほど要するとしています。網膜が熱による損傷を受けた場合は二度と回復することはないとしており、いずれにしてもこのような特殊ゴーグルの着用が必要になるとのことです。

▼EEU-2A / P
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ゴーグルに搭載されたガラスは偏光ガラスなど複数の素材が重なった構造になっているもので、1961年~1973年ゴーグルのガラスが開発されたらしくゴーグルに関しては720万ドルの予算を当て開発されたものだとしています。
EEU-2A / P以前にも同様の特殊ゴーグルは運用されており、EEU-2 / Pというものよりガラスの透過率が素早く変化するという特徴があるとのこと。

またB-2などの最新鋭の爆撃機に関してもEEU-2ゴーグルが使用されているといい、B-2ではこれに加えてコックピットのダッシュボード状に取り外し可能なバイザーのようなものが設置されているとし、理由はゴーグルに不具合が発生し使用できない場合のバックアップとして搭載されているとのことです。

*抄訳したものを掲載しています