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今月2日、北朝鮮が発射した潜水艦発射弾道ミサイル『北極星3』に関して、このミサイルの情報に関して日本と韓国がGSOMIAに基づき情報交換を行ったと報じられています。要請したのは韓国側ということは既に分かっているものの、その理由が「日本を助けるためだ」などと主張していることが明らかになりました。

韓国メディア中央日報が独占取材として報じた内容として、14日政府当局者によると北朝鮮が発射した当該ミサイルに関して、韓国側が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を通じて日本側に情報交換を要請したことに関して、日本側がミサイル情報を正確に把握していなかったため交換することを決定したなどと報じています。

[단독]"北미사일 파악못한 日도우려···韓, 지소미아 먼저 요청" - 중앙일보

記事によると、この当局者は発射当日に韓国側は「1発発射」、日本側は「2発発射」と発表していました結果的に発射した飛翔体は1発だけだったものの、この時韓国政府内では日本が誤った情報を発表した後に『友好国として助けるべきではないか』という意見が出たといいます。したがって「韓国側が日本に対して情報を望んでいたのではなく、独自分析した北極星3号の情報を日本側に提供した」としています。

時系列については記事によると日本の官房長官が発射から39分後にあたる同日7時50分ごろに「北朝鮮が2発の弾道ミサイルを発射し1発は北朝鮮沿岸、2発は日本の排他的経済水域に落下した」と発表。韓国側は10時30分ごろに「北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルと考えられる飛翔体1発を発射した」とそれぞれ発表していました。その後日本側は11時35分に「1発の弾道ミサイルが2つに分離して落下した可能性がある」と修正していました。

GSOMIAを通じて日韓が情報共有した回数はこれまで9回で、韓国側が日本側に情報共有を先に申し出たのは今回が初めてだったとのことです。また政府筋によると「GSOMIAは11月22日失効するまで日本側が必要とする場合は協定に基づき情報交換が行われる」と述べています。


GSOMIAについては今年8月、日本が韓国に対して貿易管理上の優遇対象国(ホワイト国)から韓国を除外したことを理由に韓国大統領府がGSOMIAを破棄したと明確に発表しています。なぜそのような対抗措置を講じたにも関わらず日本側に情報交換を先に申し出たのか。また交換当日にその理由は出さずに今の時点で「日本を助けるためだ」などと明かしたのかを考える必要がありあります。

この内容がそもそも正しいのかは定かではないのですが、仮に事実だとして理由についてはいくつか考えられます。その一つとして破棄したことについてアメリカが破棄した韓国を批判しているということが伝えられており、韓国政府は寄せられている批判を「我々は望んで協定破棄をしたのではない」という印象を内外に示したいがために北朝鮮のミサイルを利用した可能性も考えられます。

いずれにしてもこの協定については来月末に失効することになっており、相次ぐ北朝鮮のミサイル発射頻度を考えるとあと数回ほどミサイルの試験が行われる可能性があるのですが、その時日韓のGSOMIAの扱いがどうなるのかが注目されます。