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ペットとして人気の動物といえば犬とネコです。このペットに関して海外では見られないような条例が制定されているのはオーストラリア。今回はネコについて飼育頭数制限や飼育環境を規制する条例が来年から施行されることになりました。

The Guardianによると、オーストラリアの南部にあるアデレード市マウントバーカーでは地域限定でペットとして飼育されているネコの規制を2020年より実施すると報じています。

Curfews and covert surveillance: SA councils declare war on 'nuisance' cats | Australia news | The Guardian

記事によると、まず一世帯あたり飼育頭数は2匹までに制限することです。もう一つは午後8時から翌日午前7時まで屋外で飼うことが禁止されるというものです。なぜこのような規制が設けられたのでしょうか。

市長によると、この規制はそもそも地元のネコに関するコミュニティーからの抗議があったためだで施行にあたって1ヶ月間の議論を行い500を超える質問や回答を市民から受けたと話しており、人々がネコに対して情熱を傾けていることがよく分かったと話しています。その上で、飼育頭数制限については市民の68%が支持しており夜間外出禁止については71%が支持。また今回の規制案については73%が評価しているとのことです。


市長はこの規制はネコの糞尿被害や庭での争いといった迷惑行為、またネコによる鳥などの野生動物の駆逐などを理由に挙げており、人間生活に被害を与え地域の生態系を破壊する可能性があるという趣旨の説明をしています。
ただ、現時点で問題行為が確認されたネコやその飼主に対してどのような罰則とするのか決定はされていないとしており、夜間外出しているネコについては保護することを検討しているとのことです。

ネコに関する規制についてはアデレードヒルズという街では2022年以降はすべて屋内飼育を義務付ける規制が施行されるほか、他の地域でも夜間外出禁止を検討している地域がいくつかあるとしています。


ネコを飼っている方からすると窮屈な規制となっているものの、ネコを飼っていない人からすると可愛さの恩恵は全く受けられない一方でネコによる自宅敷地内の糞尿被害だけがついてまわるという問題が生じます。また野良ネコが繁殖することで結果的に殺処分になるという倫理的問題と殺処分にかかる税金など問題も生じてくることになります。
このようなトラブルと倫理上の問題を勘案した結果として規制に関しては一般市民からは評価されているという印象を受けます。