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2020年の有人打ち上げを目指すスペースXの有人宇宙船『クルードラゴン』に関して打ち上げ脱出システムの地上試験が間もなく実施されると報じられています。この試験は搭載したエンジンが爆発するという致命的な失敗に終わっています。

Space.comによるとSpaceXの公式ツイッターの情報としてクルードラゴンに搭載された打ち上げ脱出システムのアップグレード版のテストの様子を紹介し、地上での静的燃焼試験と飛行時の打ち上げの双方の試験を今後数週間以内に行われるとしています。

Watch SpaceX Fire Up a Crew Dragon Abort Engine Ahead of Critical Test (Video) | Space



こちらがSpaceXにより公開されたスーパードラコの燃焼試験です。ツイッターによるとこのこの試験はこれまで数百回実施しているものだとしています。


燃焼しているのはクルードラゴンの4方向に搭載された1基の映像になります。クルードラゴンには1基あたり2つのロケットが搭載され合計4基(エンジンは合計8基)搭載され緊急脱出が行われます。推力は1ペアあたり71,000ニュートン(16,000 ポンド)で燃焼時間は最大で25秒。搭載されている燃料は合計で1,388kgとされています。

▼スーパードラコ
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この地上における静的燃焼試験は今年4月20日、フロリダ州にあるスペースXのランディングゾーン1にNASAとSpaceXの職員の前で数回の燃焼試験が実施されていたものの、最後の評価試験で燃焼開始の直前に爆発するというトラブルが発生していました。爆発事故の原因についてはエンジン動作の数ミリ秒前に発生したとしており、エンジンの動作に必要な高圧ヘリウム系統のバルブ不具合が生じ噴射剤の漏れが発生したためだと結論付けています。

今後の予定としてはまずは地上での静的燃焼試験が評価されその後『最大動圧点』という大気圏内での動作圧が最も高くなるマックスQにおける緊急脱出システムが正常に動作するのかがテストされるものと考えられます。

現在の予定ではクルードラゴンを使用した有人打ち上げは2020年第1四半期を予定しています。