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鶏の卵は白、うずらは黒や灰色。他にも青っぽかったり茶色など様々な色合いがある鳥の卵。なぜ種によって色が異なるのか。最新の研究によると生息している気温が影響しているのではないかという説が発表されています。

簡単にまとめると
  • 殻の色は緯度が高いほど暗い色になる傾向がある
  • 色は太陽光が巣にどれだけ入るのかで左右されている可能性がある
  • 鶏は親鳥の羽毛の色が殻の色となる
今年10月、科学誌Natureに掲載された鳥類における殻色に関する論文によると、鳥類が生息する気温により色が変化しているのではないかという研究が報告されています。

Bird eggs in cold climates are darker, which may keep eggs warm | Science News

論文によると、鳥類の体温調節のニーズによって殻の色素沈着が形成された可能性がある証拠を見つけたとしており、特に寒い生息地で住んでいる鳥は巣に入る太陽光が多くなるほど黒っぽい殻をしているといいます。これは単純により多くの太陽光を取り入れ温められやすくなるためだと説明しています。

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こちらの資料が地球における殻色の分布です。この資料では緯度が高い地域ほど黒っぽい殻色をしている傾向があることが分かります。ただ、アフリカや東南アジアなど暑い地域でも黒っぽい色のものがあり必ずしも太陽光=殻色が黒くなるとは言い切れないようです。
研究者によると熱帯地域ではそうでない地域よりも色とりどりの柄が確認されていると説明しています。

また研究者によると、黒っぽい色の殻は白に比べより速く温められゆっくりと冷やされる傾向があったといいます。そのうえで、北極圏では親鳥は餌を取りに行っても直ぐに巣に戻らなければならないといい仮に5分間の余分な時間差は彼らにしてみれば生きていくうえで非常に有益にはたらくとしています。


鳥類における殻の色素沈着についてはこれまで捕食者から目立ちにくくするため、細菌から守るため、卵の強度を高めるためなどいくつか説があったといいます。また今回の研究についてはあくまでも卵全体の色が統一されている卵に限り研究したものだとしており、うずらの卵のような柄がついたものは研究の対象外となっているとしています。

私達に最も身近な鶏卵では白や赤っぽい卵があるのですが、一般的に白い鶏が白い卵を生んでおり、茶色の羽毛の鶏であれば赤ぽい卵を生んでいるとのこと。また室内の照度により色が異なるとされ、茶色の鶏がより暗い環境で生んだ卵は殻の赤色が増すとのことです。