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韓国では観測史上2番目に強い地震となった浦項(ポハン)地震。この地震が震源地付近で建設され稼働していた地熱発電所が誘発したことを捜査するため検察による強制捜査が実施されたと報じられています。

簡単にまとめると
  • 地熱発電事業が地震を誘発させたとして検察が4ヶ所を強制捜査
  • 事業者らが地震誘発を認識していたのか調査する
  • 震源は発電所から500m程度しか離れていたなかった
韓国メディア聯合ニュースによると、ソウル中央地検の科学技術犯罪捜査部は今月5日、大田市儒城区にある韓国地質資源研究院深地層研究センター及び浦項地熱発電の事業主であるネックスジオなど4ヶ所に対して強制家宅捜索を実施したと報じました。

검찰, 포항지진 의혹 수사…지열발전업체 등 압수수색(종합) | 연합뉴스

検察によると今回の家宅捜索で地熱発電事業の記録と浦項地震前後の観測、及び振動計測システムの構築に関連する資料などを押収したとしています。



この浦項地震について簡単に振り返ると、2017年11月15日韓国の浦項(ポハン)市でマグニチュード5.4の地震が発生しました。韓国では地震そのものが珍しくこの規模は観測史上2番目の強さとなりました。
地震発生当時、浦項地熱発電所は深さ4km程度まで掘削しており、高圧注水を行うことで地下の熱源を利用し蒸気を回収する発電を行っていました。浦項地震の震源はこの地熱発電から水平距離でわずか500mしか離れておらず、震源の深さも3~7kmと極めて浅いところで発生していたことがわかっています。

▼浦項地熱発電所
浦項地熱発電所_1

当初から地熱発電が地震を誘発したのではいかという噂が広まり、2019年3月には専門家などの判断により、地熱発電を行う過程でマグニチュード2.0未満の微小地震が複数発生するなどしていたことが明らかになり、韓国政府は総合的に浦項地熱発電所により誘発された地震であると結論づける発表を行っていました。


今回の強制家宅捜査では地熱発電事業が地震を誘発することを認知していたのか、そのうえで地熱発電事業を進めたのかなどを確認することが主としています。

この地震では崩れた建物から落ちてきたレンガにより死亡するなど死傷者が出た他、大学修学能力試験が延期になるなどしており、市民1万2867人らから損害賠償請求訴訟が起こされているとのことです


▼避難所の様子
浦項地震