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ロケットを頻繁に打ち上げている国の一つとして中国があります。この中国で先日打ち上げられたロケットに関して、4基の補助ロケットの一部が落下し民家を破壊したと報じられています。

SpaceNewsによると事故があったのは今月22日、西昌衛星発射センターから2基の人工衛星を載せた長征3号Bが打ち上げられたものの、4基の補助ロケットが地上に落下し農村の建物が破壊されるという映像がSNSで公開されたと報じています。

Rocket booster smashes home following Chinese Long March 3B launch - SpaceNews.com

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長征3号Bは1996年に初号機が打ち上げられたロケットで、今回打ち上げられたのは長征3号Bに拡大型の第一段とブースターが搭載された増強型の長征3号B/Eロケットです。長征3号B/Eは2007年5月以降に打ち上げられています。



今回民家に落下した補助ロケットはヒドラジンと四酸化二窒素を推進剤とする液体燃料ロケットで、何れも人体には毒性です。SNSに投稿された映像では破壊された民家と残骸、特有の黄色い煙が確認できす。

記事によると事故はSNSで話題になっているものの現時点で国営メディア等で事故の発生は伝えられていないとしており、中国版ツイッター『微博』では600以上のコメントが寄せられ「なぜこんなことが起こるんだ」「被害者の補償はあるのか?」などという声が相次いだとしています。

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中国では内陸からロケットを発射する場合、補助ロケットの落下が予想される地点では避難命令が出されています。映像はこの避難命令が解除された後に自宅に戻ったところ自宅が破壊されていたという映像になっていると説明しています。

中国は、内陸にロケット発射場が建設され現在も運用されているため補助ロケットの残骸などが陸地に落下しています。したがって、ロケットの残骸による事故は今回が初めてではなく、2018年1月には同じく長征3号B/Eの補助ロケットが700kmほど離れた街近くの山に落下し、爆発する映像が撮影されています。





民家に対する被害は少なくとも2013年12月と2015年9月にも発生しており、2015年9月は第一段ロケットのエンジンが民家を直撃するという事故になっていました。


避難や補償の規模については、過去の例としてロケットの打ち上げの際に落下地点付近では20万人に対して避難が呼びかけられていたことがあります。また、家屋対してロケットの落下による被害が発生したケースでは1万800元、当時の価値で約18万円が補償されたと言われています。