image_85

ペットの代表格といえば『犬』。先日、ドイツ人が風邪のような症状を訴え病院に訪れたものの、その後入院してからわずか16日で死亡するという出来事があったと報じられています。実はこの人、風邪ではなく犬の細菌による感染症で死亡しました。

科学系ニュースサイト『ScienceAlert』によると、63歳のドイツ人が自身が飼っているペットが原因で治療の甲斐なく死亡するという出来事があったと報じられています。この男性はこれまでも手足の切断など重い後遺症を残すこともあるカプノサイトファーガ・カニモルサスに感染していたことが原因でした。

Man Dies After Being Licked by His Dog in Tragic And Rare Medical Case

記事によると、死亡した男性は発症から3日後、つまり体調を崩し始めてから病院に訪れたものの、このときは高熱や呼吸困難、筋肉痛といったインフルエンザのような症状を訴えていたといいます。ただ、このときどのような理由なのかは不明なのですがこの時点で入院することになったとのこと。

医師側によると当時インフルエンザによる症状ではないことは分かっていたらしいのですが、どのような理由このような症状を出しているのか、過去の病気や海外への渡航も無かったこと、そして発症前も健康であったため原因が当初わからなかったといいます。
しかし、入院後に腎障害、肝機能障害、低酸素症そして筋肉への血液不足や排尿できないなど悪化。合わせて免疫反応(敗血症)と紫斑病という血液凝固障害による皮膚の変色が発生し重度の血液感染症を発症したことから、最終的にペットの口に存在しているカプノサイトファーガ・カニモルサスが体内に入り発症したと診断しました。この時、入院から4日間の時間が経過していました。

原因が分かった時点で治療計画が決定されます。男性には抗生物質を投与するなど治療を進めたものの、男性の症状は改善することはなく心肺停止。この時蘇生に成功するものの人工呼吸器で生命を保つまで悪化していたとのことです。

▼治療中に撮影された患者の腕(加工済みの写真)
image_84

その後も治療は進められたものの、男性は入院から2週間弱、わずか16日後に敗血性ショックと多臓器不全により死亡しました。


カプノサイトファーガ・カニモルサスに感染するという事例はネットニュースでも度々取り上げられており、今年8月に1回、去年の8月にも1回あります。何れも共通しているのはペットに舐められたことで感染しており、この2つの例では死亡しなかったものの両手足の切断という重い後遺症を残しています。

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症に関するQ&A 厚生労働省より
image4
カプノサイトファーガ・カニモルサスによる感染は世界的にも非常に稀としているものの、日本国内では2002~2009年に14件報告されており6件で死亡しています。

記事によると、「インフルエンザに似た症状をペットの飼い主が患った場合、症状が単純なウイルス感染とは異なると感じた場合は早急に医師の診察をける必要があります。今回の患者の場合、重度の呼吸障害と皮膚の赤い発疹(血管の損傷による症状)だった」としています。